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ena個別秋川

絵画と考察

コメント数:0   投稿日:2025/10/23 15:04:37 

みなさん、こんにちは。ena個別秋川の橋本です。

 

みなさんにはお気に入りの絵画はありますか?

 

私はドイツの画家である、ヴィンターハルターが描いた、エリザベートの絵画がとてもお気に入りです。

斜め後ろ姿で優雅にこちらを振り向いているエリザベートですが、彼女の髪には星形の飾りがいくつも着けられ、金の刺繍付きドレスをまとっている彼女の姿は美しい以外の何物でもないと思います。美貌を武器に生きた彼女の生涯が伺えるような気もします。

以前、韓国版のミュージカル「エリザベート」を観る機会があったのですが、一幕最後の曲で、このドレスを身にまとったエリザベート役の女優さんと、舞台上に映し出されたこの絵が重なるシーンがあり、すごく感動した記憶があります。韓国版だけでなく東宝版でも宝塚版でも、ミュージカルをやるにあたりこの絵が重宝されているのを見ると、この絵がいかに彼女の人生を象徴するものなのかが分かるような気もします。

 

そんなこの絵ですが、以前エリザベートに関する本を読んでいたところ、次のような指摘を見つけました。

彼女の唇は笑っているが、目は笑っていない。また、彼女の背景に映っている空の色は彼女の表情と同じく、決して晴れやかではなく、スカートの裾に見える影は不穏な雰囲気さえ感じさせる。

私はこの本を読むまで、この絵を美しいものだとしか思っていなかったため、美しさの裏に隠れた影の部分に注目した見方に驚きました。確かにこれを踏まえたうえでもう一度絵に戻ると、宮廷での窮屈な暮らしに縛られ、子供の養育権まで奪われた彼女の孤独感を映し出しているようにも見えます。自分のやりたいことをして自分らしく生きたいエリザベートの願望と、一度ハプスブルク家に嫁いでしまった身である以上、それらしく振舞う義務というジレンマが、華やかなドレスとこの絵の暗い部分に映し出されているように思います。

 

この絵を前にした夫、フランツ・ヨーゼフは「妃の誠の姿をとらえた作品はこれが初めてだ」という言葉も残しているそうです。結婚してから、子供や姑をめぐる問題でなかなか夫婦仲がうまくいかなかったことを踏まえると、皮肉のようにも聞こえます。彼女の美貌がよく描かれた作品であり、一見華やかなように見えて、宮廷での窮屈な暮らしに縛られていて本当の自分の姿を発揮できていないことが夫目線でも感じられるようです。(実際、エリザベートの姑にあたる、フランツの母ゾフィーは、エリザベートが皇后らしく振舞えるよう厳しくしつけ、エリザベートからは子供の養育権まで奪いますが、フランツはこのことに無関心だったそうですが)

 

 

このように一目見て好きになった作品でもいろいろ勉強してみると、違った見方があることもあります。

絵画に限らず、本、映画、ドラマ、舞台等、その作品の背景となるような知識を知ることでまた違った楽しみ方ができるので、みなさんも是非試してみてください。

ヴィンターハルター オーストリア皇妃エリザベートの肖像画 ジークレーポスター四辺フチ無し-インテリアアートと印刷のサクシード21

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