適性検査分析

東京大学教育学部附属中等教育学校

基本情報

住 所

〒164-8654 中野区南台1-15-1

電話番号

03-5351-9050

アクセスマップ

過去の入試データ

募集人員

年度 2020 2021 2022 2023 2024
40 40 40
40 40 40
80 80 80

応募者数

年度 2020 2021 2022 2023 2024
248 228 228
282 216 216
530 444 444

受検者数

年度 2020 2021 2022 2023 2024
225 205 201
263 200 198
488 405 399

合格者数

年度 2020 2021 2022 2023 2024
34 35 39
36 41 36
70 76 75

実質倍率

年度 2020 2021 2022 2023 2024
5.63 5.86 5.15
7.31 4.88 5.50
6.97 5.33 5.32

※空欄の数値は随時アップ予定

適性検査分析

適性検査Ⅰ

2023年度は大問数が3題、小問数が13題でしたが、2024年度は大問数が3題、小問数が17題と小問数が増加しました。
2023年度は大問1が国語・社会の融合問題、大問2が社会分野、第3問が国語分野からの出題でしたが、2024年度は大問1が社会分野、大問2が国語・社会の融合問題、第3問が国語分野からの出題でした。

【第1問】仏教を題材に会話や資料を活用する問題
第1問の小問数は7題でした。聖武天皇のころの仏教に関する問題で、知識をもとにするものが多く出題されました。2023年度は資料を読み取る問題が中心だったので、難化傾向と言えるでしょう。

【第2問】「自由」に関する問題
第2問の小問数は3題でした。ページ数もA3用紙1枚分だったので、素早く処理したい問題だといえます。出題の内容は、「自由」という言葉が生まれたころの社会的な様子を問う問題、日本国憲法の内容を問う問題、文章を参考に言葉を埋める問題など多岐にわたりました。

【第3問】福沢諭吉の文章を読解問題
第3問の小問数は6題でした。福沢諭吉の『西洋事情』の読解と作文の出題でした。文章自体が長く、あまり読解してこなかったタイプの問題という印象を持つ生徒も多かったのではないかと思います。第2問をスピードよく解き、第3問により多くの時間を回せたかどうかが勝負を分けるところといえるでしょう。

適性検査Ⅱ

【第1問】電気自動車の普及と問題点を問う問題
出題形式として会話文形式が復活しました。会話文1、2の後に電気自動車販売台数や急速充電器の普及などをテーマとして割合の計算力を問う問題が出題されました。会話文3以降ではガソリン車と電気自動車の料金を比較させる問題が問われました。小数第2位まで求めて概数での解答が求められる問題が多く、正確かつ迅速な計算力が必要になります。

【第2問】コイルに流れる電流の大きさを問う問題
第1問の話題から派生してコイルに流れる電流の大きさが問われました。内容自体は理科のコイルや回路の基本的な知識問題だと言えます。昨年のLEDに次いで2年連続の電気分野からの出題になりました。

【第3問】折り返しの図形から相似の考えを問う問題
A4の紙の折り返し元に戻した図から相似形を発見させ面積比が聞かれました。三角形の相似条件や相似比や面積比の正確な知識が求められています。今年度は記述の出題が無く、作図問題が出題されました。

実技

先ず初めにトーナメント表の作成を通じて論理と推理の考え方も交えて算数的な問題が問1と問2で問われました。昨年と同様実技検査は前提として算数の力が必要になります。
問3が東大附属中らしい立体図形の作成問題でした。7項目の【注意事項】を満たすことが求められ、すべての条件を満たすには高いチェック能力が求められました。この問3だけでもかなりの時間を要することになるでしょう。問1、2、3を適切な時間配分で解いていくことが要求されました。

適性検査Ⅰ

前年度は大問数が3題、小問数が16題でしたが、今年度は大問数が3題、小問数が13題と小問数が減少しました。前年度も今年度も、第1問が国語・社会の融合問題、第2問が社会分野、第3問が国語分野からの出題でした。

【第1問】パリを題材に会話や資料を活用する問題
第1問の小問数は5題でした。日本国憲法に関する問題や蝸牛(かたつむり)の表記に関する問題など知識をもとにするもののほかに、食肉に関する資料や会話文を読み取り解答する問題が出題されました。前年度の第1問は短い新聞記事を読み取る問題だったので、分量が多くなったといえます。

【第2問】漢字に関する問題
第2問の小問数は2題でした。ページ数もA4用紙1枚分だったので、素早く処理したい問題だといえます。出題の内容は、漢字辞典の使い方や熟語の組み立てといった、オーソドックスな国語の問題が出題されました。

【第3問】衣服と地球環境に関する報告書を読み取る問題
第3問の小問数は6題でした。国語分野での出題ではありますが、文章(書籍)を読み取る形式ではありません。また、前年度と同様に条件付きの作文の問題も出題されています。

適性検査Ⅱ

【第1問】LEDと豆電球に関する問題
第1問の小問数は6題でした。回路のつなぎ方や、LEDと電球の電気代の違いなど一般的な理科の知識を問われた問題でした。知識をもとに素早く解くことができたかどうかがポイントとなります。

【第2問】水の容積に関する問題
第2問の小問数は3題でした。水槽に水を注いだときの高さや底面積を求めるオーソドックスな算数の問題でした。見たことのある形式の問題だったので、落ち着いて取り組めたかどうかがポイントとなります。

【第3問】図形の組み合わせに関する問題
第3問の小問数は5題でした。一定の形の図形をつなぎ合わせていき、面積や周囲の長さを求めていく問題でした。積極的に手を動かし、図形を組み合わせていくことができたかどうかがポイントとなります。

実技

前年度は大問数が2題でしたが、今年度は大問数が1題となりました。前年度は立体図形に関する出題でしたが、今年度は四色問題をテーマとする平面図形と立体図形に関する出題でした。きまりが多く設定されている問題でしたので、ルールを読み、落ち着いて作業することができたかがポイントとなります。

適性検査Ⅰ

【出典】
大問1:2021年5月3日付「毎日新聞」の記事による
大問3:内田樹「最終講義 生き延びるための七講」による
本川達夫「生物学を学ぶ意味」桐光学園・ちくまプリマ―新書編集部「何のために「学ぶ」のか」改による

【出題形式】
大問3題形式で、大問1が社会の政治分野と漢字の書き取り、大問2が社会の全範囲の融合問題、大問3が国語の読解記述問題となっています。問題冊子は、2021年度は7ページに対し、2022年度は12ページでした。全体としてボリュームのある問題となりました。

【大問1】〈新聞記事を題材とした問題〉
新聞記事から「憲法記念日」がテーマ。日本国憲法の施行年月日を答えさせたうえで、漢字の書き取り5問、そして日本国憲法の教育を受ける権利、受けさせる義務、学問の自由に関する出題がなされました。用語を理解していても漢字に直すことができないと得点できないというハードル付きです。

【大問2】〈社会の知識を問う問題〉
小学校の教科書レベルの知識を直接問う問題です。四大公害病、内閣の仕事、統計資料から都道府県を特定する問題、明治時代の出来事に関する出題です。地図や表を読み、それを活用できる力が試される内容となっています。

【大問3】〈読解・記述問題〉
文章1・文章2の2文章型です。指示語や本文内容を正しく理解できているかを問う選択問題と、抜き出し問題です。最後の記述問題は321字以上400字以内となっており、2021年度の倍の量となりました。条件の指定が厳しくなり、3段落構成かつ常体で書くという指定が加わりました。

適性検査Ⅱ

2021年度は大問数が3題、小問数が16題でしたが、2022年度は大問数が5題、小問数が16題となりました。2021年度は算数分野のみの出題でしたが、2022年度は大問1と大問2が理科分野、大問3から大問5が算数分野からの出題でした。

【大問1】〈水の体積に関する問題〉
大問1の小問数は3題でした。記述の問題はなく、記号選択の問題と作図の問題が出題されました。会話文などのヒントはなく、知識を使って解く問題となっていました。そこまで難易度の高い問題ではありませんので、素早く処理できたかがポイントとなります。

【大問2】〈果物の体積に関する問題〉
大問2の小問数は2題でした。記述の問題が1題と記号選択の問題が1題出題されました。大問1に引き続き体積の問題となっていたので、大問1の内容が分かっているとスムーズに解くことができた問題でした。また、2つの実験を行っていますので、実験について分析・考察ができたかどうかもポイントとなります。

【大問3】〈三角形に関する問題〉
大問3の小問数は4題でした。大半が実際に三角形を作図する問題となっていました。会話文があったので、それをもとに考えること、また、積極的に手を動かし、条件に当てはまる三角形を見つけられたかがポイントとなります。

【大問4】〈分数に関する問題〉
大問4の小問数は2題でした。計算の問題が1問と記号選択の問題が1問でした。2人の誤った考え方が示されており、誤っている原因の分析と考察をもとに、正しい解答を導く問題です。単純な計算問題ではない要素が含まれていたので、焦った受検生も多かったかもしれません。

【大問5】〈消費税を題材にした問題〉
大問5の小問数は5題でした。小問は全て一行計算の問題となっていました。消費税の説明を理解し、それを実際に当てはめた計算例を参考に計算をする問題となっていました。大問1と同様に難易度の高い問題ではありませんでしたので、素早く処理できたかがポイントとなります。

実技

問題の構成は、大問が2問で、問題全体のボリュームは、ここ数年の中で比較すると多いと言えます。
2021年度は、実技にも関わらず、記述の問題(プログラミングに関する選択問題)が出題されましたが、今年は大問2問とも立体の作成に関する問題でした。
例年にも増して設問の条件が細かく、設問の条件に沿って課題を作成することが求められる内容でした。短時間で問題を読み取り、細かい指示を守りながら迅速に立体を作成する力が試されました。

【大問1】<展開図の作図と立体の作成>
大問1は、立体の作成に関する問題でした。2021年度の大問2と同様で、最近の東大附属の問題傾向通りです。問題自体は2021年度に比べると大変シンプルですが、正六角形を自分でコンパスと定規で作図しなければならないところが、大変だったかもしれません。
また、展開図を描き、切り取り、立体を作成するのは、かなり順序だてて早目に手を動かさないと時間切れになる可能性もあったと思われます。

【大問2】<立体の作成と紐の結び方>
大問2は、円柱の作成と紐の結び方の問題でした。前回の紐の結び方の出題は2009年度ですので、10年以上振りに出題されました。問題の難度自体は高くありませんが、自分で作成した立体を壊さぬよう、二手三手先を読んだ行動が求められます。
問題の難度は大問1より大問2のほうが易しいので、場合によっては大問2をはじめに取り組み完成させたうえで大問1に取り組んだほうが、高得点を獲得できたのではないでしょうか。