こちらの記事の公開日時について
2月13日の11:45ごろまで、こちらの記事は公開日が1月31日となっておりましたが、
これはこの記事のスペースを同日に記載し、
2月3日夜時点で問題を分析した内容に更新する、という処置を行ったためです。
事前に学校様やその他の箇所から問題をena側が入手していた、などということはございません。
誤解を与えてしまい申し訳ございません。
ena小学部 青木繁和
検査Ⅰ
1 会話文と実験結果、資料をもとに理科の知識や考察力を問う問題
問題数は16問で、一昨年度から1問増、昨年度から2問増でした。その分、昨年度よりも会話文の量・資料の量いずれもが減っており、理科知識が充分身についているかどうかが求められる問題でした。脊椎動物の体の特徴、昆虫の体の性質、流れる水の働きおよび星の日周運動について基本的な知識がきちんと身についていたかどうかがカギとなりました。
2 奈良県・大阪県・京都府を題材とした問題
奈良県・大阪県・京都府をテーマに、各分野からの問題が出題されました。問題数は15問と昨年度よりも1問増えました。昨年度は地理分野が2問、歴史分野が7問、公民分野が5問でしたが、今年度は資料の読み取り問題が7問、地理分野が2問、歴史分野が5問、公民分野が1問と、資料読み取り問題の比重が大きくなりました。また、歴史の配分も大きく、歴史の学習にどれだけ時間をかけていたかどうかが問われました。また、本来であれば大問3に出題されるような思考力系の問題も見られました。
3 身の回りの危険についてを題材とした問題
身の回りの危険についてをテーマに資料読み取りをさせる問題でした。小問数は5問と昨年度よりも1問減りました。また、昨年度は15~40字程度の記述が複数問出題されましたが、今年度は最後に60~110字の記述問題が設定されました。条件は明確に示されているので、落ち着いてそれらを確認し、問に正対できたかどうかがカギとなりました。
検査Ⅱ
【出典】
山極寿一『ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」』
〔大問1〕
動物の食事と人間の食事を比較し、現代社会の個食について述べた説明文を読み、10問の設問に答える形式でした。昨年度と比べ、大問1の問題数は1つ増えましたが、文章量は大幅に減少しました。いかに素早く解答となる部分を探せたかどうかが勝負でした。
〔大問2〕
「フェイクニュースと情報に対する意識調査」を読んで設問に答える形式でした。資料から読み取れることとしてふさわしいものを選ぶ小問が2つと、70~100字の意見文を書く小問の計3題が出題されました。読み取り問題では、割合等は正しいものの、資料から読み取れない記述が含まれる選択肢があり、すべての選択肢をしっかりと確認しなければいけませんでした。意見文については、資料を参考にしながら自分の考えを記述する必要がありました。
検査Ⅲ
1 基礎計算力をみる問題
昨年度同様に、基本的な四則計算、小数・分数計算から小問4題が出題されました。難易度は前年度同様です。いかに正確かつ速く解くことができるかが、その後の問題にゆとりを持つためのカギとなります。そのためには日頃から結合法則や分配法則といった計算時の工夫を常に取り入れておくとことが重要です。
2 算数の応用力をみる問題
今年は小問4題の出題で、昨年度よりも問題数が1つ減りました。難易度は昨年と変わりませんが、今年は帯グラフを作成させる問題が新たに出題されておりました。分数の性質や資料の読み取り、そして円柱の体積に関して考える問題となっておりました。円柱の計算の際には、円周率を3として計算する指示が出ており、条件の読み落としをしないで計算を進められたかどうかがカギになります。
3 統計処理能力をみる問題
与えられたアンケート結果に基づいてクロス集計表を作成し、その表をもとに割合を考察する問題でした。昨年度は規則性の問題、一昨年度は速さに関する問題であり新傾向の出題であると言えますが、決して難しくはない問題です。内閣府が掲げている「データサイエンス人材の育成」という現代社会の潮流に鑑みると今後も統計処理能力を問う問題は出題されると考えられるため、対策は必要となるでしょう。
4 平面図形の考察力をみる問題
コンパスを正面から見た時に観察できる二等辺三角形の性質について考えさせる問題でした。大問4では例年作図問題が出題されておりましたが、今年はコンパス不要で解くことができる選択形式問題でした。その意味では新傾向と言えますが、難易度は標準的で、与えられた図をもとにしてそれぞれの選択肢が妥当かどうかを考えれば正解にたどり着くことができます。平面図形の性質についてその場で考え、きちんと理解する力を高めることが対策につながるでしょう。
|