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小中学部
「再利用」では、少し足りないことがある
投稿日: 2026.06.29 4:41 pm
ena高幡不動の柿澤です。先日実施された第3回都立中合判に、ごみの排出量と最終処分場を題材にした問題が出題されました。
身近な環境問題をもとに、資料を読み取り、自分の言葉で説明する問題です。
今回の問題で特に大切だったのは、「再利用」という言葉の扱いです。
「再利用」と書けば、日常生活では十分に意味が通じます。
たとえば、まだ使えるものをもう一度使うことも、資源として回収して別の形で活用することも、広い意味では「再利用」と言えます。ですから、子どもたちが「再利用すればごみが減る」と考えること自体は、決して間違いではありません。
しかし、適性検査では、日常語として意味が通じるかだけではなく、資料の中で示されている考え方を正しく使い分けられているかが問われます。
同じ適性検査Ⅱの中には、江戸時代の職業を題材にした問題もありました。
灰を集めて買い取り、肥料や石けんの原料として活用する「灰買い」。
壊れたり古くなったりした提灯を直し、再び使えるようにする「提灯の張り替え職人」。
どちらも、今の言葉でいえば「ものをむだにしない」「資源を活用する」という考え方につながります。
ただし、ここでも大切なのは、ただ「再利用している」とまとめてしまわないことです。
灰買いは、家庭や工場から出た灰を集め、別の用途に活用する仕事です。
提灯の張り替え職人は、壊れたり古くなったりした提灯を修理し、もう一度使えるようにする仕事です。
どちらも「むだにしない」という点では共通していますが、行っていることは同じではありません。
この違いを、資料に合わせて言葉で説明できるかどうか。
そこに、適性検査らしい難しさがあります。
今回のごみに関する問題では、資料の中に二つの取り組みが示されていました。
一つは、レジ袋をもらわない、詰め替え容器を使うなど、そもそもごみとして出る量を減らす取り組みです。これは「リデュース」です。
もう一つは、資源ごみを分別して回収してもらったり、リサイクル製品を利用したりする取り組みです。これは「リサイクル」です。
どちらも、ごみを減らすための大切な取り組みです。
ただし、答案で「再利用」とだけ書くと、何を指しているのかがあいまいになります。
同じものをもう一度使うという意味にも読めますし、資源として回収して別の形で活用するという意味にも読めます。場合によっては、そもそもごみを出さないようにする取り組みまで、まとめて言っているようにも読めます。
日常会話なら、それでも通じるかもしれません。
しかし、答案では、資料に書かれている内容に合わせて、リデュースなのか、リサイクルなのかを区別して説明する必要があります。
この問題で求められていたのは、単に「環境によい」「ごみを再利用する」と書くことではありません。
図に示された取り組みが、どのようにごみの排出量を減らすのか。
その結果として、最終処分場に運ばれるごみがどのように少なくなるのか。
そして、最終処分場の残りの容量を、なぜ長く使えるようになるのか。
そこまで資料と結びつけて説明することが大切でした。
つまり、この問題は、知識として「3R」を知っているかだけを見ている問題ではありません。
似た言葉を正確に使い分け、資料に合わせて説明できるかを見ている問題です。
適性検査では、子どもたちが普段使っている言葉が、そのまま答案として十分であるとは限りません。
「再利用する」
「環境にいい」
「ごみが減る」
どれも、考え方としては大きく間違っていません。
しかし、採点者に伝わる答案にするためには、もう一歩踏み込む必要があります。
何を減らすのか。
どの資料を根拠にしているのか。
その結果、何がどう変わるのか。
ここまで言葉にできて、はじめて「説明した」と言える答案になります。
今回の問題は、子どもたちにとって少し厳しい問題だったかもしれません。
「再利用」と書いた生徒の中には、考え方としてはかなり近いところまで来ていた生徒もいたはずです。
ただ、適性検査では、考えていることを採点者に伝わる形にする必要があります。
何となく分かっていることを、問題の条件に合わせて、正確な言葉に変える。
日常語として通じる言葉を、答案として伝わる言葉にする。
ここが、適性検査の大切な練習です。
ena高幡不動では、合判や学判の解き直しを通して、ただ正解を確認するだけでなく、「なぜその言葉では少し足りなかったのか」「どう書けば資料と結びついた説明になるのか」を大切にしています。
身近なことを、正確な言葉で説明する。
その積み重ねが、適性検査の力につながっていきます。
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