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ena塩浜

小中学部

4.12 日刊ena塩浜 -迂回型の読解問題の解法の一つ-

投稿日: 2024.04.13 3:49 pm

こんにちは、ena塩浜の青木です。Well よく、上手に。基本的には副詞で、相方のgoodが形容詞のよい、上手な との書き換え問題が定番。でもget wellなんかのときは形容詞になることも定番。

 

昨日は締め切り物に追われ更新できませんでした。申し訳ありません。

 

昨日の小6国語の授業では、春期の最終日に扱った過去問の解説を行いました。

間違った問題に焦点を当てて解説を行うのですが、

春期講習や3月に教えた考えの流れはちゃんとみんな覚えていて、あともう一歩考えられれば正解できる、というものが多かったです。

 

この日扱った問題について書いてみます。

 

問、「やはり同じようなことをやったのでした」とはどういうことか、その説明として適切なものを記号で選びなさい。

 

「どういうことか」「その説明」とあるので、この傍線部と答えはおおむねイコールで結べる内容です。

イコールで結べる内容を考えるには、まずは傍線部の情報自体を詳細化します。

「犬」とイコールで結べる情報とすると、チワワ、シェパード、ダックスフント、プードル、シェルティーと様々なものが解答の候補となりますが、

「日本の犬」と詳細化すると、この候補が柴犬、秋田犬、などとある程度に絞られます。

ネットの検索において、検索ワードを増やしていくことで、検索結果が少なくなっていくのと同様です。

このように、傍線部の情報をより詳細に正確に把握することで、正答にたどり着くことが出来ます。

 

次に傍線部の分析です。

「やはり同じようなことをやったのでした」の中には、二つ、解答の情報が文中のどのあたりにあるかを示唆する表現があります。

一つは「やはり」、

もう一つは「同じような」です。

文字を反転させておきますので、考えてみてから確認してみてください。このあともちょくちょく反転させておきます。

これらの言葉から、解答はここよりもにあることが確認できます。

 

傍線部の分析の次は、傍線文の分析です。

「(省略)十四歳から~の男たちを、なんとか、~強制労働からまぬがれさせようとして、その人たちのために、やはり同じようなことをやったのでした。」

以上が傍線文(傍線部を含む一文)です。

ここでも、先ほどと同様に、考えることは傍線部の情報を詳細化することです。

その観点で見たときに、着目したいのは「~させようとして」の部分です。

この表現によって、この表現よりも前が傍線部の内容の目的、そして傍線部がその箇所の手段であることが分かります。

 

まとめていってしまえば、傍線部は「誰かを不当な労働から助ける手段」として書かれていました。

ここまで読み取れると、文章中から探してくる内容は、傍線部とイコールの内容ではなく、

傍線部の動作主が「誰かを助けているという内容」、もっと言えば、「動作主に助けられている誰か」を読み取ればよい問題に変化します。

その誰かを読み取れば、その人を助けるために行っている行動が、傍線部とイコールになるからです。

 

図解するとこんな感じです。

A 傍線部の行動 C傍線部と同様の行動
   ↓    ↓
B 行動Aにより

助けられる人

D 行動Cにより

助けられる人

答えになる情報は、あくまでCですが、

Cを探すには、Dが見つけられる必要があります。

 

この手の迂回型の読解問題は、国語の作問上ではオーソドックスなもので、頻出です。

感覚で解いているつもりの子も、その実態は自分の解法が客観視できていない(それが難しいのですが)だけで、

この手の問題はふつうほとんどの人が同じ思考過程で解いています。

重要なのは、そこの客観視ができれば再現性が生まれますが、

それができていないと、再現性が担保されないこと。

いわゆる、国語の点数は水物、的な誤った解釈につながり、

正確な国語力の把握と、それを伸ばすトレーニングの内容があやふやなものになります。

国語も、算数・数学や、英語と同様に正しく量やかけた時間と比例する形で力を伸ばせる教科です。

特に小学生の場合は、そこの論理力の伸長は、他教科の成長にもつながっていくので大変重要です。

 

 

◆今日の一問:導線上を手前から奥へ電流が流れていくとき、その導線の上に方位磁針をおくと、針はどう動く?

 

ena塩浜 青木

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