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2026年度適性検査分析速報-桜修館中等教育学校-

投稿日: 2026.02.3 8:33 pm

 

 

2026年度 桜修館中等教育学校 適性検査分析速報

 

 

適性検査Ⅰ

【出典】

文章A…竹内悊「生きるための図書館―1人ひとりのために」

文章B…上田正仁「東大物理学者が教える『考える力』の鍛え方 想定外の時代を生き抜くためのヒント」

 

【出題形式】

800字程度の文章が2つある形式で、読解問題2問、作文問題1問の例年と変わらないスタイルですが、作文問題に2つの資料が加わり、その資料の読み取りも求められる点が新しい形でした。また、ここ2年姿を消していた作文の条件が再登場しました。読解問題の字数は合計最大105字となり、近年の傾向通り短くなりました。作文の最大字数は500字で例年通りでした。
文章Aは「生徒たちの読書」がどんなものであるべきかについての説明と、それをふまえた「学校図書館」の役割を述べています。文章Bは従来のような「マニュアルの時代」が終わり、古くなったマニュアルだけでは解決できない問題が山積する時代に突入したことが述べられていました。そのため、現代では「考える力」と「創造する力」を身につける必要がある、といった内容でした。なお、「好奇心」「問いを自ら見つける」「創造する」といったテーマは、enaの特訓や合宿でもよくみられたテーマです。

 

〔問題1〕指示語の内容を読み取る問題 30字以上40字以内

「その先生の努力」とはどのような努力かという指示語の内容を読み取り、文章中の言葉を用いてまとめる問題です。直前に「先生はその好奇心に働きかけようとして授業を組み立てる」とあり,この部分を利用することになりますが,「その好奇心」の内容が曖昧です。当然好奇心を持つのは生徒(子供)なわけですが、子供が持つ好奇心は本文の中で「何かを深く知りたいという気持ち」だと表現されていましたので、それらを合わせて解答にまとめる必要がありました。傍線部の近くだけでなく文章全体をしっかり見ておく必要がある問題でした。その部分で差がついたと思われます。

 

〔問題2〕本文の表現の内容を問う問題 50字以上65字以内

「自ら考え、創造する力」とはどのような力かを本文中の言葉を用いて言い換える問題です。これは直前の部分から「考える力」と「創造する力」をまとめたものだと分かります。それぞれ5段落と6段落で詳しく述べられていましたから、「他の人が疑問に~本質を突き止める力」と「こたえのないところにあなた独自の答えを編み出すことができる能力」と言う部分をまとめればよかった問題です。〔問題1〕と同様に、本文全体を見渡して的確な表現を用いる必要がありました。比較的容易であり、差がつきにくかった問題といえます。

 

〔問題3〕作文問題 400字以上500字以内

資料の読み取りが加わった新傾向の問題でした。書くべき内容は「資料から考えられる、中学生の読書状況についての問題点」「自分が図書委員だったとして、その問題点を解決するためにどのように取り組むか」の2点です。資料が加わったのは初めてですが、条件と注意にしたがって書けばよいので、実は書き始めてみると例年と難度がそこまで変わらないように感じたのではないでしょうか。
資料1は小中学生の1か月間の平均読書冊数について書かれており、中学生の読書冊数が小学生に比べて少ないことが読み取れます。資料2は、小中学生の「不読率」についての資料で、全く本を読まない人の割合は小学生より中学生の方が高いと読み取れます。したがって、資料1を選んだ場合は「中学生の読書冊数を増やす」という方向性、資料2を選んだ場合は「中学生にそもそも読書に興味を持ってもらう」といった方向性で書くと良かったでしょう。この違いを意識できた答案は減点がされにくいものになったでしょう。
問題点の解決については、どちらの資料を選んだかで内容が大きく変わります。上記の通り資料1を選んだ場合は読書冊数を増やしていく方法を考えます。中学生の方が小学生に比べて読書冊数が少ない理由は様々考えられますが、例えば電車通学や部活動に参加することで読書時間が少なくなっている可能性があります。この時間を伸ばしていく、と言う方向性が考えられます。一方、資料2を選んだ場合は、読書に興味を持ってもらうためですから、普段本を読まない人でも興味を持てるようなイベント・仕組みを考案する、といった方向が考えられます。資料1と資料2は似ていますが、厳密には違う事実を示していますから、それに合わせて説得力のある解決策を考える必要がありました。ただし、今回の文章の要旨をふまえると、強制的にではなく自発的な読書をうながすようなものを書くのがポイントです。また、「あなたが中学校の図書委員になったとして」とありますので、委員としてできる範囲のことを考えて書くことも大切です。

 

適性検査Ⅱ

1 身体活動やホームパーティーの買い出しを題材とした問題

令和4年度から引き続き小問3題の構成でしたが、ページ数は昨年度の3ページから5ページに増加しました。〔問題1〕は、与えられたエネルギー消費量の計算式を用いて、500キロカロリーになる組み合わせを見つける問題でした。会話文の条件を過不足なく読み取る必要はありますが、考えられる組み合わせを一つ見つける問題は桜修館中の定番ですから、難度は高くなかったと言えます。〔問題2〕は、信号待ちにならないように速さを計算して説明する問題でした。信号のサイクルをふまえて、交差点②と交差点③の横断歩道を渡るときに青信号であるかどうかを計算して求める必要があるので、計算量は小問3題の中で最も多く、苦戦した受検生が多かったようです。〔問題3〕は、ホームパーティーの買い出しの順番と買い出しにかかる時間を求める問題でした。自分で簡易的な図を作成して情報を整理することができれば答えは見つけやすかったでしょう。最短経路の問題は適性検査の頻出問題ですので、確実に正解したい問題と言えます。

 

​2 お茶に関連する問題

令和3年度から引き続き、小問2問構成でした。全体としては昨年と難易度が大きくは変わらないものでした。どこまで時間をかけずに正解要素を網羅した答案が作成できたかが焦点になりました。〔問題1〕は、資料1の結果のように茶摘み機の導入割合が異なる理由を、資料2、資料3から読み取って答える問題でした。答える条件にも、「地形と摘み採り方のそれぞれに着目して」と書いてあり、資料の見るべきポイントが明示されている答えやすい問題でした。普段から答案を限られた時間で作成しきる練習が行えていたかどうかがポイントでした。
〔問題2〕は、(1)では、複数年の日本茶の生産量に対する海外への輸出量の割合を計算して答える問題でした。計算自体も3桁÷2桁や2桁÷2桁の内容でした。昨年度の計算同様、平易なものであり、確実に正解をするべき問題でした。(2)は、図3または資料5から読み取れる日本産抹茶の魅力を海外の人にどのように工夫して伝えるか、考えを述べる問題でした。テーマ自体は、知らない人に日本の魅力を伝えるといったポピュラーなものと言えましたが、昨年度に比べると与えられている資料の言葉の統一感が弱く、図3または資料5のどちらを使うか悩んでしまったり、無理に両方使おうしたりすると、答案作成に時間がかかってしまうことも予想できるため、若干難しくなった問題と言えました。難しく考え過ぎず、答案を早めに作成し、他の問題に時間を割けるようにしたかった問題でした。

 

 

3 物体の落下する速さについての実験を題材にした問題

物体の落下する速さについての実験を題材に、〔問題1〕では条件の異なる2つのアルミニウムカップにおもりを加えて速さの違いを確認する問題、〔問題2〕では大きさの異なるカエデの種の落下する速さの違いを調べる問題が出題されました。〔問題1〕は、カップの直径やおもりの重さなど、実験記録の結果が8種類あり、その中から3種類を選んで「上から見たときの面積が同じならば重いものの方が先に着地する」という予想が正しい場合とそうでない場合があることを説明する問題です。どの条件の変化が変化したとき、どのような結果であったかをまとめることができれば正答にたどり着くことができます。普段からこのような対照実験に関する問題を練習していれば、時間をかけずに解ける問題でした。〔問題2〕は、大きさの異なるカエデの種の落下する速さの違いを、落とす高さを変えて実験することで明らかにする問題でした。〔問題1〕と同様に2つの実験結果を総合して答えを求める問題で、簡単な図をかいて考えてみると解きやすい問題でした。大問3全体としては、例年に比べて実験の手順が大幅に減り、実験内容も分かりやすいものだったため、難度は低かったと言えます。

 

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