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2026年度適性検査分析速報-南多摩中等教育学校-

投稿日: 2026.02.3 8:12 pm

 

 

2026年度 南多摩中等教育学校 適性検査分析速報

 

 

適性検査Ⅰ

【出典】

小野純一「僕たちは言葉について何も知らない 孤独、誤解、もどかしさの言語学」(NewsPicksパブリッシング)
山口拓朗「読解力は最強の知性である 1%の本質を一瞬でつかむ技術」(SBクリエイティブ)

 

【出題形式】

今年度も昨年度と変わらず、900字程度の文章1と1400字程度の文章2の2本の文章から読解問題2問、作文問題1問のスタイルでの出題でした。昨年に比べて文章量は減少しており、読み解く要素が限定された上、作文問題の[手順]も昨年度とほとんど同じ形式・テーマでの指示になっているため、対応がしやすかったはずです。読解問題の字数は合計最大50字、作文の作成字数は変化なく300字以上400字以内であり、全体を通して変化の少ない出題です。
テーマは「言葉のもつイメージさせる力」についての内容と「読書を通じて得られる、物事を読解する力」についての内容を「言葉の持つ力」というキーワードを軸に論じているものでした。それぞれの文章の共通点を考えつつどんな力を身につけることで、どんな風に日常や自身に活かしていけるかを思考して解いていくことになります。筆者の主張する内容をていねいに表現から読み取りとらえることで難なく対応ができます。

 

〔問題1〕本文の表現の内容を読み取る問題 50字以内

傍線部にある「知」を拡大していく結果、「言葉のもつどのような働き」をもとに「どう生かしている」と筆者が考えているかを読解してまとめる問題です。傍線部を前に伸ばすと「こういった未知の何かを~名づけることで」とあるため、指示語の指す直前の内容「言葉になっていないさまざまな事物や出来事、感情」を言葉で名づけることに言葉のもつ働きがあることに気づけます。すると冒頭の段落に「言葉のもつイメージの働き」という表現があったことからも、「名づける=イメージを与える」と捉えられると、段落最後の「イメージを与えることでざっくりと何が意味されているのか理解できる」という、どういう点で生かせるのかにたどりつけます。傍線付近の内容の読み取りと、類似する内容の説明が書かれた場所を探して組み立てる必要がある問題でした。

 

〔問題2〕傍線部の内容を読み取る問題 45字以内

文章2で述べられている「読書」に関して、傍線部内の表現である「異世界旅行」・「『足場』を高め、視野を広げていく」が指す内容を本文中より読み取り、整理して言い換えてまとめる問題です。文章後半にこの2つの内容について触れて記述されている部分に気づくことができれば、その周辺で説明されているものにたどり着けます。「異世界旅行=日常を越えた世界に触れ、日常や自己への理解が深まっていくこと」、「足場を高くする=物事を読み解く力を身につけ、物事・事象を正しく把握すること」という言い換えを軸にして、これらの力が視野を広げていくことにつながるとまとめていきます。その他の部分でもこの言い換えた内容を説明している部分がいくつかありますので、説明するための表現を自分自身で選択して答案を作り、確実に得点にしたい問題です。

 

〔問題3〕作文問題 300字以上400字以内

書くべき内容は「文章1・文章2両方の内容から考えた大切なこと」をふまえて、「筆者の考えをもとに学校生活や日常生活でどのようなことに取り組むか」の2点です。昨年度と字数・そして[作文テーマ][手順][きまり]はほぼ同じで、とくに[手順]1~3で要求されている内容もほとんど昨年度と同様だったのも、準備をしていた受検生にとっては取り組みやすさにつながったのではないかと思います。
まず文章1の「言葉の持つ、イメージさせることで様々な事物をとらえて相手に伝え理解させる力」、文章2「読書で身につく、物事への読解力や自分と異なる考え方や価値観に触れて養われる視野の広さ」という筆者の主張する言葉の力を読解した上で、何が大切なのかを自分の意見として理由とともにまとめます。そして、この考え方を学校生活・日常生活の具体的な場面を挙げて考える必要があります。ここでは「言葉のイメージさせる力により相手に何かを伝える場面で生かすことはできないか」「読書に取り組むことで物事を読解する力、他者の考えを取り入れて知見を広げることで特定の場面で生かすことができないか」などを考えて、場面を想定します。「学校での話し合いの場面」「何かに取り組む際に他者の意見を取り入れてより良いものを生み出そうとする場面」など具体的な場面をいかに思いつくことができるかがポイントになります。

 

適性検査Ⅱ

1 募金活動を題材にした問題

募金活動を題材に、〔問題1〕ではお礼用の栞に関する問題が、〔問題2〕では硬貨の重さと金額に関する問題が出題されました。〔問題1〕は、折り紙で栞をつくる過程が図で与えられており、そこから折り目と「ありがとう」の文字を書く位置について考える問題でした。折り紙や切り紙に関する問題を解く際、頭の中で考えるのではなく、平成30年度の小石川中で出題されたような『線対称』を意識していた受検生にとっては平易な問題でした。反面、それができるか否かで差のつく、合否を分けた一問だと言えるでしょう。〔問題2〕は、5種類の硬貨の重さと、募金された硬貨の重さの合計から、5円硬貨が1枚ではない理由と、合計1500円以上になるような硬貨の組み合わせを考える問題でした。このような問題では、「位の数字」に着目することが大切です。非常に平易な問題のため、確実に正解しておきたい一問でした。全体としての難度は昨年とあまり変わらず、きちんと算数の勉強をしてきていれば、比較的解きやすい大問でした。

 

​2 お茶に関連する問題

令和3年度から引き続き、小問2問構成でした。全体としては昨年と難易度が大きくは変わらないものでした。どこまで時間をかけずに正解要素を網羅した答案が作成できたかが焦点になりました。〔問題1〕は、資料1の結果のように茶摘み機の導入割合が異なる理由を、資料2、資料3から読み取って答える問題でした。答える条件にも、「地形と摘み採り方のそれぞれに着目して」と書いてあり、資料の見るべきポイントが明示されている答えやすい問題でした。普段から答案を限られた時間で作成しきる練習が行えていたかどうかがポイントでした。
〔問題2〕は、(1)では、複数年の日本茶の生産量に対する海外への輸出量の割合を計算して答える問題でした。計算自体も3桁÷2桁や2桁÷2桁の内容でした。昨年度の計算同様、平易なものであり、確実に正解をするべき問題でした。(2)は、図3または資料5から読み取れる日本産抹茶の魅力を海外の人にどのように工夫して伝えるか、考えを述べる問題でした。テーマ自体は、知らない人に日本の魅力を伝えるといったポピュラーなものと言えましたが、昨年度に比べると与えられている資料の言葉の統一感が弱く、図3または資料5のどちらを使うか悩んでしまったり、無理に両方使おうしたりすると、答案作成に時間がかかってしまうことも予想できるため、若干難しくなった問題と言えました。難しく考え過ぎず、答案を早めに作成し、他の問題に時間を割けるようにしたかった問題でした。

 

 

3 物体の落下する速さについての実験を題材にした問題

物体の落下する速さについての実験を題材に、〔問題1〕では条件の異なる2つのアルミニウムカップにおもりを加えて速さの違いを確認する問題、〔問題2〕では大きさの異なるカエデの種の落下する速さの違いを調べる問題が出題されました。〔問題1〕は、カップの直径やおもりの重さなど、実験記録の結果が8種類あり、その中から3種類を選んで「上から見たときの面積が同じならば重いものの方が先に着地する」という予想が正しい場合とそうでない場合があることを説明する問題です。どの条件の変化が変化したとき、どのような結果であったかをまとめることができれば正答にたどり着くことができます。普段からこのような対照実験に関する問題を練習していれば、時間をかけずに解ける問題でした。〔問題2〕は、大きさの異なるカエデの種の落下する速さの違いを、落とす高さを変えて実験することで明らかにする問題でした。〔問題1〕と同様に2つの実験結果を総合して答えを求める問題で、簡単な図をかいて考えてみると解きやすい問題でした。大問3全体としては、例年に比べて実験の手順が大幅に減り、実験内容も分かりやすいものだったため、難度は低かったと言えます。

 

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