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小学部本部

第1回学校別合判講評①(共同作成適性Ⅰ・適性Ⅱ)

投稿日: 2025.11.22 8:19 pm

こんにちは、ena小学部の田村です。

 

第1回学校別合判の作問に携わった教師陣(主に実績対策責任者です)からのメッセージです。

今後の勉強に少しでもお役立てください。


共同作成適性Ⅰ(文責:小学部田村)

問1
文章横断型の書き抜き問題でした。
問いを理解し、傍線が引かれている文章1から解答内容を検討したうえで、文章2から解答を探す、という手順が必要になる問題でした。
予想より正答率が非常に高く、誤字も少なかったです。

 

問2
こちらも文章横断型の問題でした。上記の問1と異なり、「探して」書くタイプの問題です。余計な文言を追加する必要はなく、ほぼ書き抜きに近い形で答えられた問題です。この問題も確実に正解しておきたい問題でした。

 

問3
「説明する」問題です。文章中の言葉を単純に書き抜くだけでは、説明不足となり満点がもらえないようになっています。
「説明しなさい」という指示がある場合は、「わかりやすく」伝えることが前提だと思ってください。

例えば、
「冷静に要求する」べきである。

という解答だと、「誰に?」「何を?」など、不足情報がありすぎて正解にはなり得ません。注意してくださいね。

 

さて、この問題で注意が必要な誤答例として、「老婆の気持ちを察する」べきであるという内容です。
文章2の筆者は、日本文化独特の「察する/察してもらう」ことを重んじず、言葉で明確に伝えるべきである、という立場に立っています。
したがって、解答に「察するべき」と書いた時点で、文章2の筆者の主張と矛盾することになってしまいます。

いかなる文章を読むときも、筆者の主張をつかむこと(要するに、筆者は〇〇を言いたいのだな、という理解)が大切です。
それをしないまま、また問の内容を理解しないままに何となく解いてしまうと、上記のような誤答につながってしまいます。

読解力・表現力どちらも問われた本問は、大きく差がつく問題でした。

 

問4
条件③では、自分とは異なる立場の人の意見を認めつつ、自説を展開する形が求められました。
ena生たちは令和3年度の共同作成問題に全員が取り組んだせいか、予想よりもよく書けている答案が多かったのです。しかしながら、ここで差がついたのも事実です。「書けなかった!」という生徒は、必ず書き直しをしてくださいね。

今回は、あえて読解問題を3題出題しました。
「今年もきっとこうだろう」という思いこみは、禁物です。
本番でも、まずは落ち着いて解答用紙と問題をざっと見渡してください。

 


 

共同作成適性Ⅱ 大問1(文責:小学部内藤)

大問1
〔問題1〕文章を整理し,条件を導く力をみる問題
適性検査では、「情報を要約し、可視化する力」が求められることがあります。
この問題では会話文の字面だけでは条件を把握することが困難なため、図に書き起こしていく力が求められました。まさに「情報を可視化する」ということです。
多くの受検生が苦戦を強いられていたようで、完答は少なく、部分点のみとなっているケースがほとんどでした。
ena生であれば、日頃から模試や日特、過去問の復習の際に、「復習ノート」でそのトレーニングをしているはずです。復習ノート作成の際には、情報を可視化することを意識しましょう。

 

〔問題2〕
(1)結果に至る過程を処理する力をみる問題
条件の通りに白いマスをなぞるだけなので、難度は低く、ほとんどの受検生が完答できていました。
ある結果に至るまでの過程を考える際、スタートから考えるのではなく、ゴールから逆算することも大切です。この考え方は日常においても重要で、勉強の計画を立てるときにも同じことが言えます。受検日から逆算して、いま何をしなければならないのか、一週間後は、一か月後は・・・と考えて計画を立てることが大切です。

 

(2)立体図形を適切に処理する力をみる問題
立体を転がす問題は適性検査でよく出題されます。受検生のみなさんも、一度は立体を転がす問題を扱ったことがあるのではないでしょうか。
それが立方体であったり正四面体であったりと、種類は様々です。しかし根本的には考え方は同じであり、知っている解法を当てはめれば正解できた問題です。
とはいえ受検生は苦戦を強いられていたようで、正答率は高くありませんでした。あまり差のつかなかった一問であると言えます。


 

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