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2026年度適性検査分析速報-小石川中等教育学校-

投稿日: 2026.02.3 8:47 pm

 

 

2026年度 小石川中等教育学校 適性検査分析速報

 

 

適性検査Ⅰ

【出典】

文章1 赤木 明登「工藝家の夢」
文章2 橋本 幸士「物理学者のすごい思考法」

【出題形式】

2つの文章に対して、読解問題が2問、作文問題が1問の例年と変わらないスタイルですが、昨年に比べて文章1の文字数が半減。ただし、文章の抽象度が高く、小学生にとってはやや読みにくい内容でした。読解問題も、問題1、問題2ともに受検生が迷ってしまうポイントがあり、難度は高かったと言えるでしょう。昨年度より平均点は下がることが予想されます。作文問題は、文章だけではなく会話文も丁寧に読む必要がありましたが、そこをクリアしさえすれば平易な問題だったと言えます。

 

〔問題1〕傍線部分の内容を具体的に説明するぬき出し問題

「工藝」という営みがどのようなものであるかを説明する問題です。本問は穴埋め形式の抜き出し問題で、一見すると容易に感じられるはずです。傍線部直前の指示語の内容を丁寧にたどっていくと、言葉にはならない(見たもの、聞いたもの)を、(具体的な形や色に置き換える)ことをめざす営みが「工藝」であることが読み取れます。
一方で、受検生心理としては、「これほど単純な問題でよいのだろうか」と立ち止まったり、「言葉にはならない見たもの、聞いたもの」という表現に違和感を覚え、より適切な解答があるのではないかと本文を読み直したりした受検生も多かったと考えられます。
その意味で、本問は、深く考える受検生ほどかえって難しく感じてしまう性質の問題であったと言えることができるでしょう。

 

〔問題2〕文章の内容をふまえ、理由を説明する問題

「黒板は理論研究の加速器であり、かつタイムマシンでもある」という表現について、筆者が黒板のことをタイムマシンと述べているのはなぜか、文章2の内容をふまえて説明する問題です。解答欄はマス目なしの2行程度書くスペースが設けられていました。
傍線部の直前には、アインシュタインや湯川秀樹といった過去の偉大な物理学者が使っていた黒板のエピソードが紹介されています。筆者は湯川秀樹が使っていた古い黒板に手を当てることで、一瞬にして湯川と「つながる」感覚を持てると述べています。つまり、黒板という道具により、時間を超えて先人たちの考えや「息吹」を感じることができるので、黒板は「タイムマシンでもある」と表現されているのだと考えられます。
また、タイムマシンは「未来にも行ける」と述べられています。黒板を使って「人類が未だ発見していない新しいアイデアや考え方が見える」という第四段落の表現をふまえ解答をまとめ、上記の内容に付け加えても良いでしょう。ただし、「加速器」を「研究を推し進める」ことができることのたとえであり、それは「未来に行けること」のたとえであるととらえた受験生も多いのではないでしょうか。
その意味で、受検生を迷わせた問題であったことは間違いありません。さらに、文章2の内容をふまえて説明するため、ある程度自分でわかりやすくまとめる必要があります。その点でも、難度は高い問題だと言えます。

 

〔問題3〕作文問題(400字以上440字以内)

「どのような力が必要か」「その力をつけるために、学校生活をどのように過ごしてくか」自分の考えをまとめる問題です。問われていることや条件は単純ですが、注意が必要な問題でした。
会話文を読むと、「筆者のような人になるためには、どのような力をつければよいか」といった主旨であることがわかります。筆者のような人とは、「何かを追いかけたり、探し求めたり」している人、つまり探求心をもって行動しているような人です。そのようになるために必要な力を書かなければなりません。
その点に留意して「必要な力」を書いていきます。ある程度幅広い解答パターンが想定されます。「文章1・文章2のいずれかの内容にふれる」のでまとめやすいほう、書きやすいほうを選ばなければなりません。同様の問題を何度も練習してきたena生にとって、大変書きやすい問題だったと言えるでしょう。

 

適性検査Ⅱ

1 募金活動を題材にした問題

募金活動を題材に、〔問題1〕ではお礼用の栞に関する問題が、〔問題2〕では硬貨の重さと金額に関する問題が出題されました。〔問題1〕は、折り紙で栞をつくる過程が図で与えられており、そこから折り目と「ありがとう」の文字を書く位置について考える問題でした。折り紙や切り紙に関する問題を解く際、頭の中で考えるのではなく、平成30年度の小石川中で出題されたような『線対称』を意識していた受検生にとっては平易な問題でした。反面、それができるか否かで差のつく、合否を分けた一問だと言えるでしょう。〔問題2〕は、5種類の硬貨の重さと、募金された硬貨の重さの合計から、5円硬貨が1枚ではない理由と、合計1500円以上になるような硬貨の組み合わせを考える問題でした。このような問題では、「位の数字」に着目することが大切です。非常に平易な問題のため、確実に正解しておきたい一問でした。全体としての難度は昨年とあまり変わらず、きちんと算数の勉強をしてきていれば、比較的解きやすい大問でした。

 

​2 日本の新聞発行部数の変化をテーマとした問題

今年度の第1回学校別合判と同じく、「新聞」をテーマにした問題でした。
〔問題1〕は計算問題、グラフ作成問題、作成したグラフの変化の様子を読み取り、その変化の理由を考察する問題でした。〔問題2〕(1)は全国紙と地方紙の特徴を答える問題、(2)は資料を読み取り一日あたりの販売部数の差異が今後どうなるかを考察する問題、(3)はこれからの社会で新聞がどのような役割を果たすかを答える問題でした。
昨年度と問題数に変わりはありませんでしたが、記述問題に変化が見られました。昨年度は121以上180字以内で答える問題でしたが、〔問題2〕(2)では91字以上120字以内、(3)では60字以上90字以内で記述する問題が出題されました。例年記述は一問でしたが、二問に変化したことで驚いた受検生も多かったのではないでしょうか。(2)は、全国紙と地方紙の朝刊の販売部数の差が大きくなるか、小さくなるかを考察し、その理由を91字以上120字以内で答える問題でした。これを指定の字数でまとめる必要があります。会話文や資料から得られるヒントが少なく、検査時間内で自ら考察をする難度の高い問題であり、今までにない傾向の問題と言えます。どちらの選択をしても解答になりうるかと思われます。根拠をもとに、論理だてて説明する力であると思われます。論理に飛躍のないよう解答づくりをする必要がありました。
記述力を問う小石川中らしい問題形式の変更と言えるでしょう。問われていることに対して考察し、根拠立てて説明する力がより一層求められる難度の高い問題であったと思われます。

 

3 物体の落下する速さについての実験を題材にした問題

物体の落下する速さについての実験を題材に、〔問題1〕では条件の異なる2つのアルミニウムカップにおもりを加えて速さの違いを確認する問題、〔問題2〕では大きさの異なるカエデの種の落下する速さの違いを調べる問題が出題されました。〔問題1〕は、カップの直径やおもりの重さなど、実験記録の結果が8種類あり、その中から3種類を選んで「上から見たときの面積が同じならば重いものの方が先に着地する」という予想が正しい場合とそうでない場合があることを説明する問題です。どの条件の変化が変化したとき、どのような結果であったかをまとめることができれば正答にたどり着くことができます。普段からこのような対照実験に関する問題を練習していれば、時間をかけずに解ける問題でした。〔問題2〕は、大きさの異なるカエデの種の落下する速さの違いを、落とす高さを変えて実験することで明らかにする問題でした。〔問題1〕と同様に2つの実験結果を総合して答えを求める問題で、簡単な図をかいて考えてみると解きやすい問題でした。大問3全体としては、例年に比べて実験の手順が大幅に減り、実験内容も分かりやすいものだったため、難度は低かったと言えます。

 

適性検査Ⅲ 

1 CDを題材にした問題

CDの仕組みや構造について出題されました。例年とは異なり、実験結果を考察する問題は1問のみとなっており、CDの仕組みに焦点を当てた大問となっていました。〔問題1〕は例年、題材の導入として現象や仕組みについて答えさせる問題が出題されていましたが、今年度はCDのピット列の長さを計算する問題が出題されました。数値は大きいですが、単純な計算のため難度は低いです。計算問題は近年出題がありませんでしたが、傾向の変化に戸惑わず落ち着いて処理しましょう。〔問題2〕はCDの構造について考える問題でした。図と会話文でCDの構造について説明がされていますが、ほとんどの受検生にとっては初見のため、難度は相当高かったと言えます。〔問題3〕は、写真を撮影したときと似ている状況を作り出すために「再現したいこと」と「しかけや工夫」を答える問題でした。音とにおいの再現はすでに会話文にあるので使うことができず、他の表現したいことを考えるため答えにくい問題だったと言えるでしょう。全体として難度は例年通りでしたが、小石川中が毎年出題している「ものの仕組みを問う問題」が出題されており、きちんと対策をすれば対応は可能です。出題傾向は小問数が4つから3つに減り、計算問題の出題や対照実験の考察がなくなったことなど、近年から傾向が変わった大問でした。

 

2 シリンダー錠の仕組みについて考える問題

昨年度と同様にものの仕組みが題材になっている問題でした。〔問題1〕(1)は、図と会話文からシリンダー錠の仕組みを読み取り答える問題、(2)はそのシリンダー錠の中のピンの並び組合せを答える問題でした。(1)は仕組みを理解することで解くことができる問題のため、難度は低いと言えるでしょう。(2)は「場合の数」の単元で、同じものを含む順列のため、工夫して求める必要があります。書き出すことでも数えられるため、難度はそこまで高くはありません。〔問題2〕はシリンダー錠のマスターキーの構造について考える問題でした。(1)は3つのシリンダー錠のうち「②と③は開けられるが①は開けられない鍵の形」を答える問題、(2)は「①と②は開けられるが③は開けられない鍵を作ることができない理由」を答える問題でした。(1)は仕組みを把握していれば難度は高くはないですが、(2)はできない理由を説明するため、すべての場合においてできないことを説明する必要があり、難度は高いと言えるでしょう。大問1同様に、全体の難度は例年通りで小問数が3つから2つに減り、傾向が変わった大問でした。

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