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2026年度適性検査分析速報-両国高附属中-

投稿日: 2026.02.3 8:50 pm

 

 

2026年度 両国高附属中 適性検査分析速報

 

 

適性検査Ⅰ

【出典】

文章1 赤木 明登「工藝家の夢」
文章2 橋本 幸士「物理学者のすごい思考法」

 

【出題形式】

2つの文章に対して、読解問題が2問、作文問題が1問の例年と変わらないスタイルですが、昨年に比べて文章1の文字数が半減。ただし、文章の抽象度が高く、小学生にとってはやや読みにくい内容でした。読解問題も、問題1、問題2ともに受検生が迷ってしまうポイントがあり、難度は高かったと言えるでしょう。昨年度より平均点は下がることが予想されます。作文問題は、文章だけではなく会話文も丁寧に読む必要がありましたが、そこをクリアしさえすれば平易な問題だったと言えます。

 

〔問題1〕傍線部分の内容を具体的に説明するぬき出し問題

「工藝」という営みがどのようなものであるかを説明する問題です。本問は穴埋め形式の抜き出し問題で、一見すると容易に感じられるはずです。傍線部直前の指示語の内容を丁寧にたどっていくと、言葉にはならない(見たもの、聞いたもの)を、(具体的な形や色に置き換える)ことをめざす営みが「工藝」であることが読み取れます。
一方で、受検生心理としては、「これほど単純な問題でよいのだろうか」と立ち止まったり、「言葉にはならない見たもの、聞いたもの」という表現に違和感を覚え、より適切な解答があるのではないかと本文を読み直したりした受検生も多かったと考えられます。
その意味で、本問は、深く考える受検生ほどかえって難しく感じてしまう性質の問題であったと言えることができるでしょう。

 

〔問題2〕文章の内容をふまえ、理由を説明する問題

「黒板は理論研究の加速器であり、かつタイムマシンでもある」という表現について、筆者が黒板のことをタイムマシンと述べているのはなぜか、文章2の内容をふまえて説明する問題です。解答欄はマス目なしの2行程度書くスペースが設けられていました。
傍線部の直前には、アインシュタインや湯川秀樹といった過去の偉大な物理学者が使っていた黒板のエピソードが紹介されています。筆者は湯川秀樹が使っていた古い黒板に手を当てることで、一瞬にして湯川と「つながる」感覚を持てると述べています。つまり、黒板という道具により、時間を超えて先人たちの考えや「息吹」を感じることができるので、黒板は「タイムマシンでもある」と表現されているのだと考えられます。
また、タイムマシンは「未来にも行ける」と述べられています。黒板を使って「人類が未だ発見していない新しいアイデアや考え方が見える」という第四段落の表現をふまえ解答をまとめ、上記の内容に付け加えても良いでしょう。ただし、「加速器」を「研究を推し進める」ことができることのたとえであり、それは「未来に行けること」のたとえであるととらえた受験生も多いのではないでしょうか。
その意味で、受検生を迷わせた問題であったことは間違いありません。さらに、文章2の内容をふまえて説明するため、ある程度自分でわかりやすくまとめる必要があります。その点でも、難度は高い問題だと言えます。

 

〔問題3〕作文問題(400字以上440字以内)

「どのような力が必要か」「その力をつけるために、学校生活をどのように過ごしてくか」自分の考えをまとめる問題です。問われていることや条件は単純ですが、注意が必要な問題でした。
会話文を読むと、「筆者のような人になるためには、どのような力をつければよいか」といった主旨であることがわかります。筆者のような人とは、「何かを追いかけたり、探し求めたり」している人、つまり探求心をもって行動しているような人です。そのようになるために必要な力を書かなければなりません。
その点に留意して「必要な力」を書いていきます。ある程度幅広い解答パターンが想定されます。「文章1・文章2のいずれかの内容にふれる」のでまとめやすいほう、書きやすいほうを選ばなければなりません。同様の問題を何度も練習してきたena生にとって、大変書きやすい問題だったと言えるでしょう。

 

適性検査Ⅱ

1 募金活動を題材にした問題

募金活動を題材に、〔問題1〕ではお礼用の栞に関する問題が、〔問題2〕では硬貨の重さと金額に関する問題が出題されました。〔問題1〕は、折り紙で栞をつくる過程が図で与えられており、そこから折り目と「ありがとう」の文字を書く位置について考える問題でした。折り紙や切り紙に関する問題を解く際、頭の中で考えるのではなく、平成30年度の小石川中で出題されたような『線対称』を意識していた受検生にとっては平易な問題でした。反面、それができるか否かで差のつく、合否を分けた一問だと言えるでしょう。〔問題2〕は、5種類の硬貨の重さと、募金された硬貨の重さの合計から、5円硬貨が1枚ではない理由と、合計1500円以上になるような硬貨の組み合わせを考える問題でした。このような問題では、「位の数字」に着目することが大切です。非常に平易な問題のため、確実に正解しておきたい一問でした。全体としての難度は昨年とあまり変わらず、きちんと算数の勉強をしてきていれば、比較的解きやすい大問でした。

 

​2 お茶に関連する問題

令和3年度から引き続き、小問2問構成でした。全体としては昨年と難易度が大きくは変わらないものでした。どこまで時間をかけずに正解要素を網羅した答案が作成できたかが焦点になりました。〔問題1〕は、資料1の結果のように茶摘み機の導入割合が異なる理由を、資料2、資料3から読み取って答える問題でした。答える条件にも、「地形と摘み採り方のそれぞれに着目して」と書いてあり、資料の見るべきポイントが明示されている答えやすい問題でした。普段から答案を限られた時間で作成しきる練習が行えていたかどうかがポイントでした。
〔問題2〕は、(1)では、複数年の日本茶の生産量に対する海外への輸出量の割合を計算して答える問題でした。計算自体も3桁÷2桁や2桁÷2桁の内容でした。昨年度の計算同様、平易なものであり、確実に正解をするべき問題でした。(2)は、図3または資料5から読み取れる日本産抹茶の魅力を海外の人にどのように工夫して伝えるか、考えを述べる問題でした。テーマ自体は、知らない人に日本の魅力を伝えるといったポピュラーなものと言えましたが、昨年度に比べると与えられている資料の言葉の統一感が弱く、図3または資料5のどちらを使うか悩んでしまったり、無理に両方使おうしたりすると、答案作成に時間がかかってしまうことも予想できるため、若干難しくなった問題と言えました。難しく考え過ぎず、答案を早めに作成し、他の問題に時間を割けるようにしたかった問題でした。

 

 

3 物体の落下する速さについての実験を題材にした問題

物体の落下する速さについての実験を題材に、〔問題1〕では条件の異なる2つのアルミニウムカップにおもりを加えて速さの違いを確認する問題、〔問題2〕では大きさの異なるカエデの種の落下する速さの違いを調べる問題が出題されました。〔問題1〕は、カップの直径やおもりの重さなど、実験記録の結果が8種類あり、その中から3種類を選んで「上から見たときの面積が同じならば重いものの方が先に着地する」という予想が正しい場合とそうでない場合があることを説明する問題です。どの条件の変化が変化したとき、どのような結果であったかをまとめることができれば正答にたどり着くことができます。普段からこのような対照実験に関する問題を練習していれば、時間をかけずに解ける問題でした。〔問題2〕は、大きさの異なるカエデの種の落下する速さの違いを、落とす高さを変えて実験することで明らかにする問題でした。〔問題1〕と同様に2つの実験結果を総合して答えを求める問題で、簡単な図をかいて考えてみると解きやすい問題でした。大問3全体としては、例年に比べて実験の手順が大幅に減り、実験内容も分かりやすいものだったため、難度は低かったと言えます。

 

適性検査Ⅲ

1 運動会を題材にした問題

小問数は昨年度と同様に4題で、〔問題1〕から〔問題3〕では運動会で流す曲の投票に関する問題が出題され、〔問題4〕では一転して、一般に「台風の目」と呼ばれる競技を題材にした平面図形の問題が出題されました。〔問題1〕は、5曲の中から1曲決めるための投票において、1位と他の曲との得票差が最も小さくなる場合について考える問題です。得票数の差が小さいことからほぼ均等に得票していることに気づくことができれば、容易に解答が導ける問題でした。正解しておきたい一問です。〔問題2〕は、投票で決めた上位2曲の決選投票を行う際に、2位の曲が1位の曲に逆転するための得票数について考える問題でした。まず過半数を求め、逆転に必要な得票数を求めたのち、それが下位3曲の何%にあたるかを求めるため、計算ミスをしないよう丁寧に解いていきたい問題でした。難度は高くはありませんが、差がつく問題と言えるでしょう。〔問題3〕は更に条件が加わり、指定された順位になる場合を考える試行力が問われる問題でした。一見難度が高そうですが、ある程度の予測を立てることができれば解くことのできる問題でした。〔問題4〕は、棒がえがいた図形の面積を求める問題で、作図をして求めなければならないため難しく感じられますが、会話文の具体例から求め方に気づくことができると容易に答えを導ける問題でした。

 

2 整数に関する問題・図形を題材にした場合の数の問題

小問数は昨年度と同様に3題でしたが、作業力と試行力が求められ、時間配分が鍵を握る問題構成でした。〔問題1〕は、十二支と十干からなる干支を題材にした問題でした。それぞれの周期から公倍数を求め、条件を満たす年を見つけることで容易に答えを導けるため、正解しておきたい一問でした。〔問題2〕は1~9までの整数と計算記号を組み合わせて2026を作成する問題でした。一見取りかかりやすいように思えますが、ヒントとなる会話文や条件が少なく非常に時間がかかるため、解かずに次へ進んだ受検生が多かったようです。〔問題3〕は3×3の9マスを縦横方向に一筆書きできる場合の数を求める問題でした。会話文の穴埋め形式のため、会話文の誘導にのり正確に作業できるかが問われる問題でした。頭の中だけで考えず、必要に応じて自分自身でマスを追加して考えることがポイントとなりました。

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