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第1回学校別合判講評⑭(お茶の水女子大附属中)

投稿日: 2025.12.3 9:59 pm

こんにちは、ena小学部の田村です。

 

お茶の水女子大附属中実績対策責任者の古山先生(ena王子)からのメッセージです。

是非、問題用紙を確認しながら、読んでみてください。

 


 

【理系分野講評】学校別合判を終えて
担当:理系出題者(検査I・III)古山雄光

1. 検査I 大問1:理科全般の知識と考察力を問う問題
今回の学校別合判では、理科を通じて「広く浅く」+「その場で考える力」をバランス良く問う構成といたしました。
特に大問1では、SDGsや地球環境、地理に関連する基本知識を確認しつつも、単なる暗記型ではなく、資料を読み取り既知の知識と結びつけて考える力が要求される内容としています。

 

注目すべきは問3の(4)です。「アントシアニン」という小学校理科範囲をやや超える語句を用いましたが、リトマス紙の色の変化に関する既習知識と資料を照合すれば十分に答えを導ける構造にしております。
未知の語句や現象に対しても臆せず、資料を手がかりに考える姿勢が入試本番では極めて重要です。お茶の水女子大学附属中の入試でも、まさにこうした力が高く評価されます。
今後の学習では、資料読み取り・要約・考察練習の組み合わせを日常的に行うことをおすすめします。

 

2. 検査III:算数分野の出題方針と講評
検査IIIでは、お茶の水女子大学附属中の出題傾向に即した構成を意識しました。
計算問題を中心に、図形・作図・データ分析といった多面的思考を要する問題を盛り込み、総合的な対応力を測る内容です。

 

(1)大問2 問4「平面図形の面積」
拡大図形を扱う問題で、拡大縮小比と面積変化の理解がなければ得点が難しい設問でした。とはいえ、今後の反復練習で十分克服可能です。各校での教材フォローを重ねていきましょう。

 

(2)大問2 問5「作図問題」
お茶の水女子大附属中では作図問題が定番化しており、今回もその形式を踏襲しました。
ただし答案を見る限り、設問要求を読み違えたまま作図している例が散見されました。
道具操作力だけでなく、問題文の意図理解・論理的手順構築が不可欠です。

 

(3)大問4「データの読み取りと分析」
表の読み取り問題は、11月決起集会でも重要性を確認しました。実際の入試でもクロス集計表などを分析・記述させる問題が頻出しています。
表現力・言語化力を意識した訓練を積み重ねることが、最も確実な得点力強化につながります。

 

3. 今後に向けて
今回の模試は単なる得点評価ではなく、「入試でどんな力が求められるか」「今何を鍛えるべきか」を実感してもらうことを目的としました。
求められる力は以下の4点です。

 

・知識の広さと深さ
・資料読解と情報整理
・図形、空間のイメージ力
・データ分析力と表現力
これらは一朝一夕では身につきません。粘り強く、繰り返し取り組むことが合格への王道です。
模試後の「解き直し」こそが次の一歩になります。生徒たちが今回の経験を糧に、一題一題を大切に積み重ねていくことを期待しております。

 

文責:古山

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