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第1回学校別合判講評⑪(九段中)

投稿日: 2025.11.30 2:08 pm

こんにちは、ena小学部の田村です。

 

第1回学校別合判(九段中)適性検査1および適性2・3の文系の問題を作問した川上先生(ena月島・九段中実績対策責任者)、理系の問題を作問した岡部先生(ena両国)からのメッセージです。

是非、問題用紙を確認しながら、読んでみてください。

 


適性検査1

大問1
問1

主人公の素の面と学校で演じている面を書く問題でした。
解答の手順自体は少なかったことからか、解答の要素となる部分は見つけられていましたが、対比の形になっていなかったりと解答の形が誤っていることによる減点が目立ちました。例えば1つ目の空欄に「~自分」としたのであれば、2つ目の空欄も同じ形にすべきでした。自分の解答の点検を意識してみてください。

 

問2

主人公が作った作品に描こうとしたものを答える問題です。
今回は描こうとしたもの、つまり「主人公が秘めている気持ち」を解答すべきでしたが、実際に描かれた絵自体を解答しているものが目立ちました。

 

問3

先生が主人公に伝えたかった内容を答えます。解答となる部分を探すのは容易で、確実に取りに行きたい問題でした。

 

問4

「いままで伝えられなかった思い」を表現できた体験を記述します。まずは「いままで伝えられなかった思い」を具体化すべきところですが、この部分を見過ごし、単に「いままで中々言えなかった」などの解答をしてしまっている答案が散見されました。また、傍線部は「表現できた」なので、いままで伝えられなかったことを表現方法を変えることで伝えられた、とすべきですが、単に勇気をだして伝えられましたで終えている解答も目立ちました。
「誰々に対する〇〇という思いは、直接は伝えられなかったが、△△という方法では~なので、伝えることができました。」といった解答のフォーマットを決め、シンプルな解答を作成することを意識しましょう。また、そもそも空欄という解答も目立ちました。九段は時間勝負ではありますが、作文問題もすべて書ききるという前提での時間配分で練習しましょう。

 

大問2
問1

因果関係の「果」の部分を答える問題です。本来であれば、音楽の話題との共通点を探し、そこから解答を導いていくべき問題ですが、傍線部の周りを探しただけの解答が散見されました。解答に<間>という表現が入ってしまう段階で、一度立ち止まり、この部分のより具体化された箇所を探してほしいという問題でした。解答への違和感を持つ癖をつけ、探し方の手順を明確にしましょう。正答率が低く、差がつく問題でした。

 

問2

こちらも問1と同様、「むだ」というワードが解答に入ってしまう時点で、この部分の言いかえを探しにいきたかったです。直近の九段の適性検査1の問題は、以前に比べ、解答の手順が複雑化しています。他の都立中の問題などで読解問題の練習をしていきましょう。

 

問3

本文の内容をふまえ、具体的事例まで記述する問題です。本文は「むだ」を経験する→ものの見方や感じ方が育つ→人生が豊かになる という流れでした。
この流れを一つ一つ抑え、具体化する必要がありますから、①自分が「むだ」だと思っていたこと②その「むだ」のおかげでどのように見方が変わったか③どう人生が豊か(今回であれば見えなかったものが見えるよう)になったか を記述すると、あらかじめやるべきことを定めてからスタートすべきでした。本文のまとめはできていましたが、書ききれず、途中で終わってしまい、点数に結びつかなかった答案が非常に多かったです。配点も大きいので、なんとしてでも書ききるように練習を重ねましょう。

 


適性検査2

大問1
問1

空欄にあてはまる語句、数値を資料から探す問題です。難度は低く、ここでの失点は大きな差につながりました。計算ミスやすでに資料内にある「韓国語」を解答してしまうなど、資料や問題文を読んでいれば防げたはずのミスがありました。一つ一つを素早く、正確にとることが九段合格に必須です。

 

問2

問1に比べ、やや難度は高いですが、ピクトグラムの変更された部分に着目すれば記述できた問題でした。

 

問3

資料を見比べ、「日本に観光にくる外国人にとってより情報を得やすくするため、必要だと思うこと」を記述します。
資料9では、「役立ったもの」資料10では「困ったこと」が挙げられています。インターネットは役立ったが、無料のインターネット環境がないという理由で困っている人もいるので、そういった場所を増やす。または、観光案内所は役立ったが、施設のスタッフとコミュニケーションがとれず、困った人がいるので、多言語対応のスタッフを増やす、など、「より情報を得やすくするために」必要なことをあげるべきです。しかし、「インターネットが便利」だから「多言語スタッフを増やすべき」と因果がずれている解答が目立ちました。資料は役に立っているものでも改善するべき部分があるという内容なので、それをふまえて解答したかったです。

 

大問2

パラリンピック競技のボッチャを題材にした問題でした。
図形の面積と割合を求める問題など日頃の計算については得点できていた一方、
図示する問題や表を完成させる問題では苦戦をしている生徒が多数見受けられました。
会話文と資料を連携させて解けるように、資料→説明、説明→資料と交互にみる練習をしましょう。

 

大問3

野菜をテーマにした問題でした。
会話文と資料を読み取り、正確に表現できるかを見る問題でした。
計算問題の結果を用いて記述する問題では、関連付けて答えることが難しかったようです。

 


適性検査3

大問1

問1

空欄にあてはまる語句を資料から読み取ります。計算が途中に挟むものの、比較的平易な内容でした。概数での計算を駆使して、必ず正解したい問題でした。

 

問2

1店舗あたりの来客数と客単価の変化について記述します。長々とした説明をする必要はなく、シンプルな解答をこころがけましょう。

 

問3

キャッシュレス決済のメリット・デメリットについて考えます。支払い方式ごとにその差は明確でした。1度しか記号は使えないことからもその選択肢をどこで使うべきかを絞り込むことも容易だったと思います。正答率が高い問題でした。

 

大問2

ISBNコードを題材にした問題でした。
与えられた情報、指示をもとに正確に処理できるかを問う問題にしました。
日頃の学習時にも直しをするときに、ミスの原因などを把握するようにして、
正確に処理する力を鍛えていきましょう。

 

大問3

地震を題材にした問題でした。
与えられている情報から正しく計算をしたり、グラフにしたり、複数の実験結果から考察する問題を出題しました。
特に最後の複数の実験結果から予測をする問題は実験の目的や意図をつかめているかがポイントでした。
復習時にはその点を意識してくださいね。

 

 

文責:川上・岡部

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