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第1回学校別合判講評⑨(武蔵高附属中適性Ⅱ大問2&適性Ⅲ)

投稿日: 2025.11.29 11:00 am

こんにちは、ena小学部の田村です。

 

第1回学校別合判(武蔵高附属中)適性検査Ⅱの大問2(独自問題)を作問した兵頭先生(ena武蔵境北口・武蔵高附属中実績対策責任者)、適性検査Ⅲを作問した長谷部先生(ena吉祥寺・小石川中実績対策責任者)からのメッセージです。

是非、問題用紙を確認しながら、読んでみてください。

 


適性Ⅱ 大問2

・出題方針
近年の武蔵中の適性Ⅱ大問2は、複雑な資料の読み取りよりも会話文の要約、資料と会話文を交互に照らし合わせながら解答する問題が多く出題されています。
今回の出題はそれに合わせ、会話文に直接的な答えとなる部分を多く入れた形の問題にしました。
文系は40点と配点が高く、なるべく空白を埋めてもらいたいです。
そういった意味では、空白の答案が多く目立ってしまったのはやや残念でした。
第2回に向けて適Ⅱ全体の時間配分をもう一度見直してみましょう。

 

〔問題1〕
東京で鉄道が発達した理由について土地の形状に注目しながら、車と比較して書く問題です。
限られた時間内での解答になるため、鉄道と車を対比的に過不足なく書けている答案は多くありませんでした。
「土地の状況や道路の状況に着目しながら」という条件(ヒント)をうまく活用できているかが得点の有無につながりました。

 

〔問題2〕
鉄道会社がグリーン車を導入した、混雑緩和以外の目的について書く問題です。
鉄道会社が今後の売り上げ増加を目的にグリーン車を導入した、という部分はよく書けていました。
ただ輸送人口の減少→(売り上げ減少の見込み)→売上確保のためのグリーン車導入の(売り上げ減少の見込み)の部分が抜けている答案が多く、やや記述に飛躍した部分がみられました。
理由を説明する問題は、なぜその状況になったのかという背景も踏まえて書くことが望ましいです。

 

〔問題3〕
電車の混雑緩和に向けた企業の取り組みと問題点を読み取り、課題解決の方法を考えて書く問題でした。
企業が提供している情報に対して、電車の混雑状況を確認している人の割合が高くないことが分かれば、あとは混雑状況を確認する人の数を増やすための取り組みを考えればよいです。
課題解決型の問題は、特別な取り組みを考える必要はなく、あくまで現実的な解決方法が書けていれば十分に加点になります。
日頃から身の回りの社会の問題について、考えていく癖をつけていきましょう。

 

文責:兵頭

 


適性Ⅲ
算数は立体図形、理科は実験結果の読み取りとなる問題を出題しました。
近年の武蔵中の難易度に合わせ、難度は高く設定してあります。
平均点は低いですが、その分しっかりと得点が取れると合格に近づくと言えるでしょう。

 

大問1
武蔵中の適性Ⅲの出題方針にリーダーとして必要な計画する力という文言があります。
具体的には、自ら解きやすい数値を予想し、その数値について問題に答える形式の問題が出題される傾向にあります。
今回の適性Ⅲの算数でも、一部の問題は自分で決めたものに対して答えを求める形式の問題を取り入れています。
入試の難易度も実際の入試に近づけているため、平均点は低めになっております。

 

〔問題1〕見取り図から展開図を考える問題
直方体のどの辺を切るのか自ら決め、それに対する展開図を書く問題ですが、正答率は決して高くはありませんでした。
それゆえ、差がつく問題となりました。展開図を書きやすいように辺を選ぶことも大事な要素です。

 

〔問題2〕投影図から立体を考える問題
投影図を見て立体図形を考えることができると(1)は解きやすい問題でした。
(2)では色の塗られた立方体の個数が聞かれていましたが、完答した受検生は少なかったです。
左右対称の図形であることに気づくともう少し解きやすくなりますが、立体を把握しておく必要があるため難易度は高めといえるでしょう。

 

〔問題3〕立体図形について考える問題
立体図形に穴をあける問題は重なりがない場合は解きやすいですが、
重なりがある場合はその部分の体積を求めなければいけないため、難度が上がります。
会話文をしっかりと読むことはもちろん、平面図形・立体図形の問題にしっかりと対処できるか問われる問題でした。
また、数値も自分で決め、指定の範囲の体積に収まるようにするため、目星をつけて数値を決めることも必要なため、
難度が高く、正解できたのは一部の受検者でした。

 

大問2
実験結果の読み取り問題を中心に出題しています。
実験から読み取れること、そこから考察できることを整理して復習をしてください。

 

〔問題1〕実験結果から考察する力を見る問題
温度による植物の活動で変わるものは呼吸ですが気づけている受検生は少なく、正答率は低かったです。
また、グラフを読み取り条件に従って数値を答える問題は数値が間違えているものが散見されました。

 

〔問題2・3〕実験結果から考察する力を見る問題
対照実験を読み取る問題ですが、正しく読み取れている解答は多くはありませんでした。
実験は基本的には対照実験です。そのため、条件が1つのみ異なっている実験で比べる必要があります。
どの実験を比べると何が分かるのか整理していくようにしましょう。

 

文責:長谷部

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