校舎ブログ詳細

小学部本部

第1回学校別合判講評②(桜修館適性Ⅰ)

投稿日: 2025.11.22 8:49 pm

こんにちは、ena小学部の田村です。

 

第1回学校別合判(桜修館中)適性検査Ⅰを作問した加藤真先生(ena雪が谷大塚校長・桜修館実績対策責任者)からのメッセージです。

是非、本文と問題を確認しながら、読んでみてください。

 


桜修館中適性Ⅰ(文責:桜修館中実績対策責任者 加藤)

〔問題1〕
文章を広く読んで解答する力を問うている問題です。指示語に着目して直前の内容だけ記述した生徒が多かったですが、それだけでは不十分でした。
筆者はやり取りした結果「納得できた」場合と、「納得できなかった(賛成はしなかった)けど、言い分は分かった」場合の二つについて述べていますから、どちらにも触れるべきでした。(解答らんの後にある「たり」がヒントでした。)
また、解答例のようにコンパクトな答案は難しいかもしれませんが、「相手に問いかけをする」要素も必須です。「問いかけ→相手の考えを理解」はワンセットであり、それが無いと「考えが違う他者→考えを理解」となってしまい、論理の飛躍が起こってしまいました。

 

〔問題2〕
桜修館ではR4年度以降頻出の「具体と抽象の両方を書く」記述問題です。具体内容と抽象内容は、伝えたい内容としては同じですから、それぞれ分けて書いた上で「~ように」などとつないで書くと良かったでしょう。
「出産のドキュメンタリー」という題材に字数を使っている生徒が多かったですが、そこはメインではないので、字数をあまりかけずに書くべきでした。
また「男子」などの主語が無い答案もありました。今回は「女子」も登場しているので、「安易に知っている」状態なのは男子だ、という記述は必須です。「知りたくないことに対して自主的に情報を遮断していしまっている男子」を軸にしつつ、対比要素として「積極的に気づきを得ようとする女子」を登場させると良かったです。

 

〔問題3〕
二つの文章をふまえて作文を書く問題でした。二つの文章を読んだ上で書くので、二つの文章の関係性について考えた上で、両文章の要旨を意識しながら書くようにしましょう。
今回は、「ある対象に対して、理解しようと積極的になること」が共通していました。加えて、その理由まで書くことが求められていましたので、「理由」=「効果/利点/メリット」という基本的な型を意識しつつ、適切な理由付けをするべき部分でしたが、ここができている答案は少なかったです。
文章Aに寄るなら「根拠・言い分が分かる」→「トラブル防止/人間関係の円滑化」
文章Bに寄るなら「細部に気付き」→「新たな発見」
どちらでも良いですが、文章読解の際に「主張」だけでなく「根拠(効果)」や「対比要素との違い」までしっかりと理解するようにしましょう。

具体化は、上記のポイントが押さえられていないと、ほとんど点になりません。
読解の時点で方向性を間違えてしまうと大幅減点となりますので、「本文の大事そうなところを探す」のではなく「根拠や背景も合わせて理解し、論旨を追いかける」ようにしましょう。

 

文責:加藤真

小学部本部ブログはこちら