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私立中講演会レポート(女子学院)
投稿日: 2025.10.31 11:14 am
こんにちは、ena小学部の田村です。
10/4(土)に、弊社で実施いたしました私立中講演会のレポートです。
今回は、女子学院院長の、鵜崎創先生にご講演賜りました。
※記事としての掲載にあたりましては、お写真も含めて女子学院様より許可いただいております。なお、お写真はすべて女子学院HPおよび学校案内動画より引用しております。
【建学の精神】

まずは「タラントンのたとえ」のお話から講演がスタートしました。
「主人が3人の家来に5タラントン、2タラントン、1タラントンの財産を預けて旅に出て、自分が旅からもどってきたときに預けた財産を返すようにと命じました。1タラントンもらった家臣だけは一切財産に手を付けず、決してなくならないように土の中に埋めて保管しました。他の2人は財産を運用して、初期財産より増やして主人に返しました。」
私はここまでお話を聞いて、「ご主人から預かった財産を勝手に運用するなんてとんでもない。1タラントンをもらった家臣が一番偉い家臣だよな」と感じました。
ところが…
「3人の中で財産を埋めていた家来は叱られ、他の2人を主人がほめた」と聖書に記載されているそうです。

「タラントン」
どこかで聞いたことがある響きですね。
この話は、
主人=神
家来=人間
財産=神から与えられた才能、器(=talent)をたとえたものと解釈されており、
神から与えられたものを、一生のうちに、どのように使っていくかが大切であるというたとえ話だと見られています。
女子学院も、このたとえ話で語られていることを大切にしており、
子どもたちが自分の才能を見つけ、それぞれの道に進んでいくことのサポートをしていくことを学校として大切にしています。
生徒たちの自主・自律を重んじており、明文化した校則はありません。聖書にしたがって、自分で自分を治めるというのが建学時の精神。体育祭や後述する「修養会」も、生徒が中心で運営します。
入学当初は、
「先生、どうしたらいいですか?」と聞く生徒が多いですが、学年が上がると、
「先生、こうしたいのですが、よろしいですか?」と自分の行いたいことを自然と示せるようになってくるそうです。
【講堂礼拝】

卒業生も受け入れているので、大学に行く前にOGが顔を出すことも。
クリスチャンは生徒全体の10%未満ですが、卒業後に振り返ると礼拝は気持ちの落ち着く貴重な時間であったと感じる生徒が多いそうです。
【学院生活】
授業は50分授業×6コマで固定。
授業では生徒同士の議論やプレゼンなどを行ったりする、「動きのある授業」が多いのも特徴です。

中学高校で教員が同一なので、高校で行う実験授業などを、中学の方に導入したりすることも多く、生徒の知的好奇心を刺激することを大切にしているそうです。
カリキュラム進度も速いのですが、受験のための早回しというよりは、知らないことをどんどん知りたがる生徒の姿勢に合わせた結果という面が強いそうです。
入試問題は、中学入試には珍しい等価配点。
その根底には、「リベラルアーツ教育」の考えがあります。学問、教科の垣根を超えて学ぶことが大切だという考えです。
したがって、受験生には、まずは「すべての科目の基礎、基本を大切にすること」「あらゆる分野を勉強すること」が求められます。女子学院中の入試問題数が比較的多い理由がわかりますね。
生徒は活発で、個性豊か。「おまかせします」型の生徒はいないとのこと。好奇心旺盛、新たに何かを知ったり見たり学んだりするのが大好き。
上記で触れたように、授業や行事では「話し合い」の時間が多く持たれます。「みんながこうしているから」は禁句。同調圧力一切なし。「わたしはこう思う。なぜなら…」が大切。否定せず、受け止める。
自由な校風ですが、中学校では勉強面の課題も多く、小テストも毎回のように実施。点数が悪ければ先生に追いかけまわされる…笑
受験指導はするが、「あなたの学力はこれくらいだから、東大を目指しなさい」などのような指導はせず、「やりたいこと」をサポート。校内模試もない。したがって「比較」もしない。
などなど。JGの魅力が伝わる、本当にあっという間の一時間でした。
鵜崎先生、誠にありがとうございました。
「御三家なんてとんでもない…!」と引いてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、
プロテスタント系の学校においては、教育の根底は同じ。したがって、頌栄、東洋英和、香蘭、恵泉女子、香蘭、女子聖学院などもご覧になると良いかと思います。
小学部 田村
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