ena高校部 国立

現代文得点力アップのための「設問読解力養成講座」第1回
コメント数:0 投稿日:2025/05/02 23:30:16
本講座の狙いは一つ。
現代文受講生全員の成績を上げ切ること。
国公立志望者は東大で合格者平均点はとること。
私立志望者は早稲田の法学部・
早ければ早いほど効果は上がりますので、高2・
使用する問題は、実際の大学入試で出題された設問。
その設問の傍線部読解の練習を徹底します。
何事もそうですが、基礎基本の徹底は本当に大切です。
どんな時にも同じように考えて根拠を取れるようにします。
記念すべき第1回は、皆さんご存知の例題です。
私の授業の初回で必ずやる問題です。
ちなみに小学生でも中学生でも高校生でも常に同じです。
この例題を通じて、
次回以降、この考え方をベースとして進めていきます。
次の文を読んで後の問いに答えなさい。
子どものしつけに失敗したので、犬で取り戻そうとした。
問 傍線部「犬で取り戻そうとした」について。
この講座でやろうとしていることは、傍線部読解になりますので、
傍線部で考えることは一つ。情報を増やすことです。
情報を増やさないままに、ただ「どういうこと」かな? と問いかけながら本文を読んでなんとなくまとめる、
このやり方で常に正解が出せるという生徒はいないはずです。
情報を増やすためにやることは二つ。
1)不足している情報を調べる。
2)傍線部からわかる情報を考える。
1)の「不足情報」を考えます。
不足している情報を導くためにシンプルな問いかけを行います。
ズバリ、「いつ」「どこで」「誰が」「何を」です。
「どのように」「なぜ」は特殊なケースだと考えてください。
今回の問いかけは、「何を」と「誰が」です。
2)の「得られる情報」を考えます。
「得られる情報」というのは、
例えば「やっと安心した」と書いてあったら、
「ドアを閉めた」だったら、最も単純なことで言えば、
また、
このように、その表現のウラに隠れているものを意識するのです。
「取り戻す」ですから、
1)で問いかけた「何を」の答えは「失ったもの」「
さらにわかることがあります。
それは「取り戻そうとした」という表現から見えてくることです。
よくわからないという人へのアドバイスです。
よくわからない時は、とりあえず反対のことを考えてみる。
この場合は「取り戻さない」「取り戻そうとしない」です。
どんなものだったら「取り戻そうとしない」ですか? と考えると見えてきませんか?
わざわざ「取り戻そうとした」のだから、
もう一つ考えたいのは「犬で」という言葉です。
これも、先ほどと同じようにウラにあるものを考えます。
「犬で」「取り戻そうとした」のだから、
さらに、「犬で」の「で」に注目しましょう。
助詞・
・庭で遊ぶ。(場所)
・車で行く。(手段・材料)
・雨で中止になる。(原因)
・一時間で終わる。(時間・期間)
格助詞「で」の基本を挙げてみました。(他の働きもあるので辞書を引いてみるといいですよ。)
「犬で」「取り戻す」ですから、手段だとわかります。
ここまでを整理すると、「犬で取り戻そうとした」
誰かが、犬を使って(犬を手段として)、
これで、調べるべきことが抽出されます。
①「取り戻そうとした」のは誰か?
②「犬で(犬を使って)」具体的に何をするのか?
③失ってしまった自分にとって大切な何か、とは何か?
④そもそもなぜ失ってしまったのか?
傍線部の直前部にある「子どものしつけに失敗したので」
③は少し考える必要がありますが、
いかがでしょうか。
傍線部をしっかりと読みとることで、
不足しているものを問いかけて抽出すること。
そして、傍線部の自立語の意味のウラにあるものを考えること。
助詞・助動詞にも注目すること。
これらを考えるまでもなく自然に行えるようにすることが目標です
そのためにも最初は意識して取り組んでいきましょう。
次回以降は、大学入試の問題を扱います。