小5,小6·理科は、「 ものの燃焼 」→「 ろうそく 」へ。
ホント、なぁ〜んでもないろうそくに、理科のふしぎがいろいろ詰まってます!
こんにちは、ena田無の松島です。
ろうそくは、
炎心 = 燃えていない ろうの気体の部分[ 300〜400℃ ],
内炎 = 不完全燃焼で 煤(すす)の粉が光っている[ 500℃〜( 1000〜1200℃とある資料も )],
外炎 = 完全燃焼で ほとんど目に見えない青い炎[ 1400℃ ]
の、3層になっています、実は。
さっそくやってるのは、その炎心から 白い煙 = ろうの気体,内炎からは 黒い煙 = 不完全燃焼の炭素の粉 = 煤 (すす)。そして、その白い煙に着火して、の 炎のリレー! です。 おぉっ! と、みんな、声を上げて 大感動!!!
ライトで照らして影を作ると、炎心は素通し、内炎の影だけがクッキリと。よく見ると、黒い影の周りには 白い縁取りが。それがほとんど目に見えない外炎の影です。
さらに その周りには、モヤのような空気の流れが見えます。「 ものの溶け方 」でやった「 シュリーレン現象 」、水や空気で、周りと密度が違うと 光が屈折して そんなふうに見えるんでしたね。
[ ・・・なんてね、これ、5年生とは やりませんでしたっ。電灯のスイッチが2つの教室を またいでるもんで。中3生が 都立高入試の答案再現中でした。真っ暗にするわけにはいきません! 土曜日の 小6 理科ではやりました。土曜日には 第1回 都立中合判もありましたね。 ]
そんなろうそくの炎の構造、こんなふうにも確認出来ます。濡らした板を当てると温度が高い外炎の部分だけが焦げて リング状に![ ガラスの板やガラス棒を差し込むと、燃えないので、今度は 内炎部分に 煤(すす)が付いて黒くなります。これもやりませんでした。そんなに、なんでもかんでもやってらんないっ! ]
そして、炎の輪切り! です。
炎心が空っぽなのがよく分かります。その上、金網が熱を奪い、炎が そこで切断されるんです。「 燃えるには 発火点以上の温度が必要 」という、ものが燃える3条件、も入っている実験です。輪っか、輪っか!
「 紙の鍋 」も、今回は 写真資料で見るだけ、に留めました。時間がかかりますからね。
これも、水を沸騰させるのに 熱エネルギーを取られてしまって、紙皿が燃えない、という上記の発火点の条件の検証実験、です。大丈夫かよ? ホントに燃えない? と、分かっていても ヒヤヒヤしますが (笑)。
木の蒸し焼き = 乾留(かんりゅう) で 木炭作り、もテキストにありましたが…、
これです! 松ぼっくりや ヒマラヤスギ = シダーローズ,どんぐりなんかを炭にした「 花炭 (はなずみ) 」、です。お茶会の席なんかにオシャレに置いといたり、その辺に コロンてしとくと、脱臭や湿気取りにもなります。カワイイし…。
さて、内炎の、炭素の粉の発光、というやつですが、金属の燃焼、もテキストにありましたよね。それと同じ現象なのかな? それとも、単に、木炭を加熱すると赤くなる、あれと同じこと? いや、そもそも それが、金属の発光と同じこと、なのか…?
炭素は金属ではありませんが、炭素を加熱した 黒鉛 (こくえん) = グラファイトは電気も通すし、金属と似た性質をを持ってますからね。
金属の燃焼、と言ったら、ハイ、「 火打ち石 」、です。チャートという硬い硬い石との摩擦熱で 鉄が酸素と結びつき、熱と光を出す、という仕組みなんですよ。鉄の方が石より強いと思うでしょ。逆なんです。で、落ちる黒い粉が酸化鉄、ってわけ。
これも、生徒さんに、大受けする鉄板ネタですが、最近は さらにグレードアップ! 100均で見つけたキャンプ道具、マグネシウムで発火! です。こっちの方が火花がすごいなぁ〜〜。後に残る灰色のカスは、酸化マグネシウム = 化マグ、です。
スチールウールを燃焼しても酸化鉄。そして、赤さびと違って、皮膜となって金属を守ってくれる「 黒さび 」も 酸化鉄、です。
クリップを真っ赤なるまで熱し、冷ますと 表面に 黒い酸化鉄。おぉ〜〜!
で、どうしようかな、この後の展開? 酸化鉄でコーティングされたクリップと ただのクリップと、水で湿らせて4〜5日おいて、赤さびがつくか、つかないか? なんてやればいいのかな? 検討中、です。
さぁ、身近にある酸化鉄、といったら使い捨てカイロですよ。鉄が酸素と結びつくときに発生する熱を利用してるんです。光は出さないけど。
オツマミの中に入ってる、「 サンソレス 」とか「 エージレス 」ってやつ、あれが同じ仕組みです。オツマミの封を切ると みるみる熱くなりますよ。ホント、ヤケドするぐらい。袋の中には 酸化鉄の出来上がり、のはずです。
ほら、触ってみ。熱いだろう〜〜。
ホントだっ!
以上、本日の実験タイム、終~了~!!!
・・・授業ラスト5分で、いろいろ見せてあげています。
ところで、最初の実験に戻って・・・、内炎の黒い煙は燃えない…ってことになってますが、なんか、炎心の煙より激しく燃えるんだよなぁ〜。
実験をすると、予想とは逆の結果になり、後に課題を残すことがよくあります。それが、そもそも実験ってものなんですが・・・。
そんな、失敗も矛盾も、生徒さんにそのまま見せています。いっしょに考えていこうや、と。
実験のやり方を考えたり、その結果を予想したり…都立中の入試問題に頻出(ひんしゅつ)、ですからね。