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小中学部

時差はどうして難しいのか?

投稿日: 2025.06.20 10:40 am

ena富士見台講師の山田です。

 

 

社会という教科の中で割に理解しづらいものの一つは「時差」だろうと思います。 一定の方式に従えば自動的に時差は求まるのですが、はいそうですか、と納得できる生徒はそう多くない。

 

時差はどうして難しいのか、と考えるに、それは時差、そしてそれに伴う経度や緯度や本初子午線や……がすべて人間が仮説したものにすぎないからではないか、と思います。  

 

「時差」などというものは自然界にはなく、私たちが編み出した方法にすぎないのですが、教科書にはそれがあたかも当たり前の事実かのように語られている。 その矛盾が直感的な理解を阻んでいるのではないかと思います。

 

さて、なぜこんな話をわざわざしたかといえば、効率的に勉強をするには、教科書が無自覚に前提としていることをこちらで補っていかなければならない、ということを言いたかったためです。 

 

補わなくてもスムーズに飲み込める、という人もいるにはいるのですが、どうしてそういうことが言えるの? という問いを発してしまう子供というのはやはりいるだろうと思います(そしてそれは喜ばしいことだ、と思います)。

 

永井均という哲学者は『〈子ども〉のための哲学』という本でこのようなことを言っています。 歴史を教える教師は、同時に少しでいいから歴史哲学を、理科を教える教師は科学哲学を少しでいいから子供に教えてやってほしい、そうしなければ理解できない子供というのが必ず存在するのです、と。

 

永井は、それは同時に他の子たちの理解も促進させるだろう、と言っています。 自宅学習の際も少し意識してみてもいいのではないでしょうか。

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