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小中学部
自律学習ノート
投稿日: 2025.05.29 8:05 pm
富士見台校講師の山田と申します。
最近面白い勉強論を読みまして、今回はそれを紹介したいと思います。
坂口恭平の『中学生のためのテストの段取り講座』という本です。 彼は普段作家であり、画家であり、建築家であり、「テスト」などとは無縁の自由人です。
https://note.com/kyoheisakaguchi/m/m7be55226c41f
が、抜群に勉強はできたみたいで、東大に入れ入れという教師の誘いを断って、早稲田の建築学科に入学しました。 そんな彼が中学生の娘にテストのコツを請われて書いたのがこの本です。
彼の言うテスト勉強のコツは、「スケジュール表を作れ」これだけです。 24時間はだれにでも平等に与えられています。 それをどう具体的に配分していくか、彼が言うのはそれだけです。
勉強は、というかあらゆる物事は具体的なものです。 それを真剣に考えずに、なんとなく精神論でやり過ごしていると、「なぜか」成績は上がりません。 いや、「なぜか」などというものはない。 一日の行動をしっかり振り返ってみれば、必ず原因はあるものです。 が、それくらいのことなら他の勉強論にも書いてあるでしょう。
この本のもっとも優れているところは、テスト勉強の枠組みを超えて、自分のやりたいことをするための「段取り」の練習としてテスト勉強を位置づけていることです。
ただ言われた通りに勉強して言われた通りにいい学校に入り、言われた通りにいい会社に入っても、ただ一人の「働き者」ができるだけです。 それは必ずしも幸せを招くことはないでしょう。 受験勉強とは、しばしばそういった問題を引き起こしがちです。
少し前に「やりたいことで、生きていく」というキャッチコピーが流行りました。 若者は無邪気にそれに惹きつけられ、良識ある大人は夢見がちなその発言に鼻白む思いだったでしょう。 が、本当に「やりたいことで生きていく」ためにも具体的な段取りの取り方が必要です。
そしてその段取りの練習になるのであれば、「テスト勉強」というものも、ただ「将来の為」という漠然とした理由を超えて、いくらかは取り組む意義というのが出てくるのではないでしょうか。
さて、本の紹介が長くなりましたが、実は富士見台校の特色は、その「スケジュール表」を生徒に作らせているところです。
「自律学習ノート」は他の校舎にはない取り組みです。 もしそれが上に述べたような「段取り」の練習になるのだとすれば、勉強というものの見方を変えてくれる良い道具になりうるのではないでしょうか。
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