こんにちは、目玉焼きの白身にはしっかり火が通っていてほしいｅｎａ塩浜の青木です。

 

6月9日、月曜日。

 

集中力のお話3。

「入ってもすぐ途切れる」タイプについて。

浅い眠りが、ちょっとしたことで覚めてしまうのと同様に、

集中の度合いが浅いため、ちょっとしたことで集中が途切れてしまうタイプです。

こちらのタイプの方が、言葉通りの「集中力がない」とか「集中力が弱い」に近いと思います。

「集中力がない」とよく言われるような子の場合、

定期テスト対策のときでも、あるいは自習のときでも、

今いまやっているわけではない教科の教材なども無駄に机上に出していることが多いです。

「これらを終わらせるまで今日は帰らない」というような何らかの意味合いを持たせてそうする子もいますが、

多くの場合は、そういうわけではなく、ただ出しているだけです。

「必要がないもの」は、そこにあるだけで集中力を発揮する阻害となります。

自分の部屋でなくて、それこそ塾や図書館などの方が集中しやすい理由の一つが、

自分の空間でないが故、そういった誘惑物がないことです。

せっかくそういう場所に行っているのに、「必要がないもの」まで一緒に連れてきては意味がありません。

「やるもの」だけを持ってきて、「その中でも今やるもの」だけを机上に、あとはカバンの中、が望ましい状態です。

このように、注意を向ける対象を、とにかくそぎ落とすことがこのタイプには重要です。

具体的なもの以外でいうと、環境。音、明度、温度、湿度です。

集中が深ければ気にならない程度の音も、浅い状態と注意を引かれる障害物となります。

入り込む力が高い人だと、一定の雑音がある方が、かえってそれが聞こえない状態に入り込んでいくことで、

かえって集中を深めることができたりもしますが、

浅い集中状態の人には、不要な音はすべて、引き戻される障害でしかありません。

無駄に照明が暗すぎたり、明るすぎるのもいけません。照明そのものというより、適度でない明度から出てくる影の存在感が邪魔と感じられることが多いです。

温度や湿度という概念が意識に上ってくるときは、それらが不快に感じられるときで、いずれも気にならない程度に空調が整っていることが望ましいです。

当然、塾ではそういった環境面は年中整えてあるわけですから、このタイプの子たちは、とくに塾で自習をする習慣をつけるメリットが大きいと言えます。

分岐点が何もない一本道であれば、いやでもその道を進むしかありませんから、

意識の分岐点を作らないことが肝要です。

 

意識の分岐点を作らない上では、もう一つ別の観点で必要なことがあって、

上記のような物理的なもののほかに、頭の中のものがあります。

例えば、テスト勉強を始めたばかりの時期だとして、「単語をこんなに覚えなきゃいけない、僕単語覚えるの苦手なんだよな」、「数学も図形が多いからやだな」とか、漠然と「やらなければならない嫌なもの」が頭にあると、それらの思い自体が集中の邪魔をします。

こういう場合は、むしろやらなければならないものを可視化、具体的に書きだしてみると頭の中からは消しやすくなり、集中しやすくなります。学校から配られるテスト範囲表はあるでしょうが、それを持っているだけでは、この効果はあまり期待できません。それはあくまで範囲であって、タスク化された「やること」ではないからです。範囲の内容に対して、実際に「これをやる」と具体化して羅列して、そのうち今日はこれとこれだけやる、と切り離して持っていくイメージを持つと、「やらなければならない嫌なもの」たちが頭の中で悪さをしなくなります。

 

そして、おそらく前回のパターンよりも、こちらのパターンほうが合宿が効果的であることがイメージしやすいと思います。

よくわたしたちは「ゲームもネットもスマホもない」といった言い回しで、合宿のご案内をしますが、

こういったフレーズ自体が、上記の話そのままだからです。

合宿中は日々長時間授業を行いますが、復習タイム時にはそれらの復習を行い、翌日には確認テストや小テストがあるため、

やることは必然的に具体的、限定的となっているため、頭の中の邪魔者も出てきません。

 

そして、集中と合宿の面で言うと、いずれのパターンであっても、

普段の校舎での学習や自習よりもさらに集中する経験を長時間行うため、

「集中すること」そのものの、この上ない練習となります。

私はよく、夏明けの授業や日特を担当すると、「合宿に行った子かそうでないか」がなんとなく見ているだけで分かる、という話をよく保護者会や講演会でさせていただくのですが、

その表面化しているものの一つが、この「集中力」の部分なのだろうと思います。

 

 

◇今日の一問：冷帯に住む動物の多くが丸みを帯びている理由は？

 

ｅｎａ塩浜　青木

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