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ena王子

小中学部

#801 生徒たち「から」教わること

投稿日: 2025.04.23 5:42 pm

こんにちは。ena王子チューターのMです。

先日、僕は中学1年生の生徒たちに「正の数・負の数」についての学習サポートを行いました。中学校に入学してまもないこの時期、生徒たちは小学校では扱わなかった“負の数”という新しい概念に触れ、数の世界が一気に広がるような感覚を覚えている様子でした。一方で、「マイナスって何?」「負の数をかけるとどうなるの?」といった素朴な疑問や戸惑いも表情の中から感じ取れ、思考が一度立ち止まってしまう場面もありました。

振り返ってみると、僕自身も中学1年生のとき、まさに同じところでつまずいていました。今でもよく覚えています(悔しいことほど覚えているものですよね)。正負の数の加減乗除を初めて学んだとき、教科書に出てきた「−3+5=2」や「(−2)×(−4)=+8」といった式に、「どうして?」という気持ちが次々に浮かんで混乱してしまいました。当時の僕にとっては、“負の数”はまるで異世界の住人のようで、数直線の左側に広がる未知の世界を歩くような感覚でした。

しかし、そんな僕を助けてくれたのは、やはり「繰り返しの演習」でした。先生やチューターの方に教えてもらいながら、何度も同じような問題を解いていくうちに、少しずつ計算のルールが身体に馴染んでいく感覚を覚えました。「なるほど、こう考えればいいんだ」「あの時の式はこういう意味だったのか」と、自分の中で“腑に落ちる瞬間”が徐々に増えていき、気づけばその難しさも楽しさに変わっていたのです。

そしてつい最近、僕は高校の授業で「虚数」というさらに新しい数の世界に出会いました。「√−1は虚数単位iとする」――その言葉を聞いたときの衝撃は今でも忘れられません。「えっ、負の数の平方根ってそもそも存在しないんじゃなかったの?」とまたも混乱しました(笑)。ですが、このときもやはり救ってくれたのは“手を動かすこと”。「よくわからない」から「少しずつわかるかも?」へ、そして「面白い!」へと変わっていったのです。

この経験から僕は、「数学とは、考えて理解するものでもあり、同時に“体験”して身につけるものだ」と思うようになりました。わからなくても、まずは例題を一緒に解いてみること。どんなに難しそうに見える公式も、繰り返し使うことで自然と自分のものになっていく――そんな学びのプロセスを、今まさに生徒たちに伝えていきたいと感じています。

塾での学習時間は、特に学力を伸ばす絶好のチャンスです。学校の進度にとらわれず、苦手をじっくり克服できる時間ですから、生徒の皆さんにはとにかく“手を動かすこと”を大切にしてほしい。そして「わからない」が「わかる」へ、「できる」に変わる、その過程の楽しさを知ってもらえたら嬉しいです。

また、僕自身もこの春から高校2年生に進級しました。いよいよ「受験生」という言葉が身近に迫ってきており、チューターという立場で皆さんの努力に日々触れる中で、自分自身の意識も大きく変わってきました。教室で真剣に問題に取り組む後輩たちの姿、壁にぶつかりながらも前に進もうとする姿勢――そのひとつひとつに刺激を受け、「僕も本気で受験に向き合おう」と強く思うようになりました。

チューターとして働くということは、単に誰かに何かを教えることではなく、自分自身が多くを学び、成長する機会でもあります。後輩たちの姿から学ぶことは想像以上に多く、まるで自分の中に新しい風が吹き込んでくるような感覚すらあります。今の僕があるのは、先生方や生徒の皆さんから日々もらっている“学びのエネルギー”のおかげだと実感しています。

これからも、皆さんとともに学び、悩み、そして成長していきたいと思っています。数学という世界は、広くて奥深くて、ときに手強いけれど、だからこそ挑戦しがいがあります。僕もまだまだ勉強の途中ですが、皆さんと同じ目線で、これからも一緒に前に進んでいきたいです!

ena王子チューター    M

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