都立高一般入試問題分析

東京都立戸山高等学校

都立高一般入試問題分析

国語

難度は例年通り。出題構成や問題数、課題文の字数についても大きな変化はなく例年通りだった。
漢字の読み書きは構成・難度ともに例年通りだが、「夏炉冬扇(かろとうせん)」「コウウンリュウスイ(行雲流水)」の四字熟語の読み書きがやや難。
文学的文章は本校には珍しく存命の作家からの出題。小問数は例年通り6問だが、記述の文字量が35字以内から70字以内に増加。本文中に直接的な心情表現がないので難度は高いと言えよう。論説文では、寺田寅彦の文章からの出題。問題数、難度ともに例年通りだが、作文問題については昨年度よりも書きやすい内容であった。現古融合文はすべて選択式の問題であった。

数学

大問1の作図の問題以外はかなり解きやすかった。大問2の関数は、問1は解きやすいものの、それ以外の2問は解法自体は難しくないが、計算力が要求された。大問3はひし形の内接円に関する問題。都立では珍しい出題。問2の難度は高い。大問4は立体図形。切断面を的確に描く力が要求された。合否を決める問題といえる。問2までを正答できるかがポイントであった。大問2、3では一部難問が含まれているが、全体的には実力差を図る良問が多く、難問以外を確実に得点できるかが重要であった。

英語

文章量は全体的には減っており、大問2は昨年度が3ページ半だったのに対し今年度は2ページ半、大問3は両年ともに2ページ弱であった。問題形式はほとんど変わらなかった。会話文補充、下線部の書き換え、適文選択、語順整序、内容一致、本文全体の内容をふまえた空所補充が出題された。大問2の問7や整序英作、条件英作が解きやすい問題であったことに加えて、例年、戸山高校でのみ出題されていた形式の問題が今年度は出題されていなかったことを加味すると、難度は例年に比べやや易化したと予想される。

社会

出題形式は例年同様大問6題での出題となった。完答問題は昨年よりも1問減少した。
大問1の問1は、地形図の高低差を選ぶ問題となり、例年と比べ難化した。他の2問は例年同様の難易度である。
大問2の世界地理は近年の難易度の高さがなく、キーワードも拾いやすかったため、易化したと言える。
大問3の日本地理も例年と比べてヒントが見つけやすく、易化したと言える。記述問題では、今まで出題されてこなかったイラストを使用した資料が出題された。
大問4の歴史は例年同様の難易度であった。問3は、近年では出題されてこなかった、並べ替えに加え、略地図からも選ぶ問題が出題された。
大問5の公民は例年よりも難化した。問2は掲載されている資料だけでは解答を見分けにくく、問3や問4は固定資産税が地方税であることや株式会社の概念を知らない生徒も多かっただろう。
大問6の総合問題も例年よりも難化し、知識や柔軟な見方が必要とされていた。

理科

問題構成は例年通りの大問6題構成。例年大問3以降は、必ず地学・生物・化学・物理の順に並び、そこで取り上げられなかった単元から独立した小問が大問1、2に並ぶ。
昨年度の大問1は5問だったのに対し、今年度は6問となった。生物・化学がそれぞれ2問ずつ、地学・物理がそれぞれ1問ずつ出題された。
大問2は例年通り、生徒のレポートに関する問題が出題された。「極地の研究」をテーマにしたレポートに関連させて、等速直線運動(物理分野)、海水の密度と塩分濃度(化学分野)、カエルの発生(生物分野)、白夜(地学分野)という内容からの出題。海氷の塩分濃度に関する問題に新味がある。
大問3は地学分野で気象からの出題。〔問1〕が、毎年1問だけ含まれる記述問題であった。しかし、金属製のコップの表面の温度が少しずつ下がるようにした理由」は、高校入試の定番であり、受検生にとって特に脅威ではない。
大問4の生物分野では消化と吸収からの出題。昨年度は4問だったのに対し、今年度は3問。内容は2020年度と酷似し、過去に出題されたものばかりであった。
大問5の化学分野では、塩化銅の電気分解を軸にした基本的な問題。2018年度出題のものと似ている。なお、今回は計算問題が出題されなかった。
大問6の物理分野では、電流・電圧・電力からの出題。出題形式で特筆すべきは、問2の選択肢の数が6つ、問3の選択肢の数が5つという、「いつもの4択」ではないものがあった点である。
総じて、過去の出題傾向から著しく外れた問題は出題されていない。過去5年分の出題内容を研究することで確実に対応可能である。ただし、近年になって教科書に加わった内容(ダニエル電池など)はこの限りではないので要注意。