都立高一般入試問題分析

東京都立国立高等学校

都立高一般入試問題分析

国語

難度は昨年度よりやや難化。構成は例年通りで、字数はやや増加、作文以外の記述は論説文の1題だけと減少した。
漢字は「シンゼンビ(真善美)」、「ガンコウシハイ(眼光紙背)」と三字熟語と四字熟語がともに出題され、総じて難度は高いと言える。読解の大問3題とも、課題文は平易な文章ではなく、そもそもの語彙力がないと容易には読み取れない内容ではあったが、選択問題は特段難しいわけではないため、落ち着いて処理しておきたい。小説では授業の様子を読み取り、解答する問題が出題された。作文の出題形式は例年通り。

数学

大問4が難化したものの、それ以外は解きやすい問題であった。「大問2の関数の問2(2)で点Dが直線OB上にあることを示せ」という問題に戸惑った生徒もいたとは思うが、答えを出すこと自体は難しくない。全体としては大問4では差がつかず、大問1~3に時間をかけて確実に得点できるかがポイントであった。昨年度の最後の問題は難問が出題されていたが、今年も立方体の対角線の中点を通る切断面が正六角形であることを利用する難問が出題された。2点から等距離にある面(垂直二等分面)に関する出題であった。

英語

昨年度は大問2が環境問題に関する対話文、大問3が物語文であった。今年度は大問2が理系知識に関する対話文で、大問3が昨年度同様に物語文であった。出題形式に大きな変化はないが、難度は昨年度と比べて上がっていると思われる。長文読解では、各大問の内容真偽問題がそれぞれ正しいものを一つ選ぶという形式に戻っていたこともあり、失点を避けるべき問題が6割程度あったと思われる。しかし、なかには大問2の整序英作で正確に主語を選択できない、letの用法を押さえられていない、大問2の問6にあるto give a bubble the smallest possible sizeの解釈に時間をかけすぎてしまった、問8の印象的な絵に面食らってしまった、大問3の問7に悩まされてしまったなど、一筋縄では正答できないと思われる問題もあった。今後も理系知識への理解力と読解力を測る問題が出題される可能性が高いため、それに類する問題に多く取り組む必要がある。英作文は昨年度同様20語以上が2問出題。昨年驚かされた発音問題はなくなった。

社会

出題形式は例年同様大問6題での出題となった。完答問題は昨年よりも1問減少した。
大問1の問1は、地形図の高低差を選ぶ問題となり、例年と比べ難化した。他の2問は例年同様の難易度である。
大問2の世界地理は近年の難易度の高さがなく、キーワードも拾いやすかったため、易化したと言える。
大問3の日本地理も例年と比べてヒントが見つけやすく、易化したと言える。記述問題では、今まで出題されてこなかったイラストを使用した資料が出題された。
大問4の歴史は例年同様の難易度であった。問3は、近年では出題されてこなかった、並べ替えに加え、略地図からも選ぶ問題が出題された。
大問5の公民は例年よりも難化した。問2は掲載されている資料だけでは解答を見分けにくく、問3や問4は固定資産税が地方税であることや株式会社の概念を知らない生徒も多かっただろう。
大問6の総合問題も例年よりも難化し、知識や柔軟な見方が必要とされていた。

理科

問題構成は例年通りの大問6題構成。例年大問3以降は、必ず地学・生物・化学・物理の順に並び、そこで取り上げられなかった単元から独立した小問が大問1、2に並ぶ。
昨年度の大問1は5問だったのに対し、今年度は6問となった。生物・化学がそれぞれ2問ずつ、地学・物理がそれぞれ1問ずつ出題された。
大問2は例年通り、生徒のレポートに関する問題が出題された。「極地の研究」をテーマにしたレポートに関連させて、等速直線運動(物理分野)、海水の密度と塩分濃度(化学分野)、カエルの発生(生物分野)、白夜(地学分野)という内容からの出題。海氷の塩分濃度に関する問題に新味がある。
大問3は地学分野で気象からの出題。〔問1〕が、毎年1問だけ含まれる記述問題であった。しかし、金属製のコップの表面の温度が少しずつ下がるようにした理由」は、高校入試の定番であり、受検生にとって特に脅威ではない。
大問4の生物分野では消化と吸収からの出題。昨年度は4問だったのに対し、今年度は3問。内容は2020年度と酷似し、過去に出題されたものばかりであった。
大問5の化学分野では、塩化銅の電気分解を軸にした基本的な問題。2018年度出題のものと似ている。なお、今回は計算問題が出題されなかった。
大問6の物理分野では、電流・電圧・電力からの出題。出題形式で特筆すべきは、問2の選択肢の数が6つ、問3の選択肢の数が5つという、「いつもの4択」ではないものがあった点である。
総じて、過去の出題傾向から著しく外れた問題は出題されていない。過去5年分の出題内容を研究することで確実に対応可能である。ただし、近年になって教科書に加わった内容(ダニエル電池など)はこの限りではないので要注意。