都立高一般入試問題分析

東京都立日比谷高等学校

都立高一般入試問題分析

国語

難度は昨年度と同程度。出題構成や字数は例年通りで、作文以外の記述が小説の1題だけ、という昨年度の形式が踏襲された。
漢字は「素封家(そほうか)」、「カンケン(管見)」など、受検生の語彙にはない漢字の出題も例年通りで、総じて難度は高い。読解の大問3題とも課題文は平易な文章ではなく、そもそもの語彙力がないと容易には読み取れない内容ではあったが、選択問題は特段難しいわけではないため、落ち着いて処理しておきたい。小説では八十字の心情記述問題が出題されたが、日頃の練習の成果が問われた問題であった。作文の出題形式は例年通り。

数学

昨年度より得点しづらい問題構成であった。平均点は下がると予想される。大問1は昨年度並み。大問2は二次関数で二つの放物線に関する問題。難度は決して高くはないものの完答するにはかなりの実力が必要。大問3は円に関する問題。証明は日比谷高校特有の合同の証明。実力がないと完答は厳しい。大問4は空間図形。問2、3では自分で図を描いて考えなければならなかったため、差がつく問題といえる。実は問3が問2より解きやすかった。

英語

長文2題の文章量は昨年度、一昨年度より若干多くなっていた。要旨をつかみやすい内容であったとはいえ、内容理解の鍵となる言葉や文の内容を正しく理解しておかなければ正答するのが難しい問題が散見された。設問形式は、昨年度のものと比べると少し変わったかのように思えるが、この5年の出題形式の範囲内で出題されている。大問2の長文のテーマが西高校と重なっていた。タイムリーな話題も含めてさまざまな知識をつけておくことも得点力の向上につながる。日比谷高校の受検生を悩ませる必出の15語以上、30語以上、50語以上の英作文は今年度も出題された。記号で解答する問題に大きな得点差を生むような問題が少ないぶん、この大問2、大問3の英作文の出来が大事になる。

社会

出題形式は例年同様大問6題での出題となった。完答問題は昨年よりも1問減少した。
大問1の問1は、地形図の高低差を選ぶ問題となり、例年と比べ難化した。他の2問は例年同様の難易度である。
大問2の世界地理は近年の難易度の高さがなく、キーワードも拾いやすかったため、易化したと言える。
大問3の日本地理も例年と比べてヒントが見つけやすく、易化したと言える。記述問題では、今まで出題されてこなかったイラストを使用した資料が出題された。
大問4の歴史は例年同様の難易度であった。問3は、近年では出題されてこなかった、並べ替えに加え、略地図からも選ぶ問題が出題された。
大問5の公民は例年よりも難化した。問2は掲載されている資料だけでは解答を見分けにくく、問3や問4は固定資産税が地方税であることや株式会社の概念を知らない生徒も多かっただろう。
大問6の総合問題も例年よりも難化し、知識や柔軟な見方が必要とされていた。

理科

問題構成は例年通りの大問6題構成。例年大問3以降は、必ず地学・生物・化学・物理の順に並び、そこで取り上げられなかった単元から独立した小問が大問1、2に並ぶ。
昨年度の大問1は5問だったのに対し、今年度は6問となった。生物・化学がそれぞれ2問ずつ、地学・物理がそれぞれ1問ずつ出題された。
大問2は例年通り、生徒のレポートに関する問題が出題された。「極地の研究」をテーマにしたレポートに関連させて、等速直線運動(物理分野)、海水の密度と塩分濃度(化学分野)、カエルの発生(生物分野)、白夜(地学分野)という内容からの出題。海氷の塩分濃度に関する問題に新味がある。
大問3は地学分野で気象からの出題。〔問1〕が、毎年1問だけ含まれる記述問題であった。しかし、金属製のコップの表面の温度が少しずつ下がるようにした理由」は、高校入試の定番であり、受検生にとって特に脅威ではない。
大問4の生物分野では消化と吸収からの出題。昨年度は4問だったのに対し、今年度は3問。内容は2020年度と酷似し、過去に出題されたものばかりであった。
大問5の化学分野では、塩化銅の電気分解を軸にした基本的な問題。2018年度出題のものと似ている。なお、今回は計算問題が出題されなかった。
大問6の物理分野では、電流・電圧・電力からの出題。出題形式で特筆すべきは、問2の選択肢の数が6つ、問3の選択肢の数が5つという、「いつもの4択」ではないものがあった点である。
総じて、過去の出題傾向から著しく外れた問題は出題されていない。過去5年分の出題内容を研究することで確実に対応可能である。ただし、近年になって教科書に加わった内容(ダニエル電池など)はこの限りではないので要注意。