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都立中適性検査分析

東京学芸大学附属国際中等教育学校

基本情報

住 所

〒178-0063 練馬区東大泉5-22-1

電話番号

03-5905-1326

アクセスマップ

過去の入試データ

募集人員

年度 2020 2021 2022 2023 2024
A方式 30 30 30 30
B方式 30 30 30 30
60 60 60 60

応募者数

年度 2020 2021 2022 2023 2024
A方式 192 214 200
B方式 145 158 176
337 372 376

受検者数

年度 2020 2021 2022 2023 2024
A方式 172 189 176
B方式 139 146 161
311 335 337

合格者数

年度 2020 2021 2022 2023 2024
A方式 33 34 34
B方式 33 32 33
66 66 67

実質倍率

年度 2020 2021 2022 2023 2024
A方式 5.21 5.56 5.18
B方式 4.21 4.56 4.88

適性検査分析

適性検査Ⅰ

今年度の問題は来年度実施の大学入学共通テストより追加される「情報」を意識してか、データの読み取りや数値変換などの情報処理に関する問題が多く出題され、問題数も前年度の18問から25問と大幅に増えました。一方、前年度は出題されていた字数指定はなくなり、理由を記述する問題2問となりました。

1⃣画像のデジタル変換を題材にした問題
医療分野で使用されるCT画像を人工知能の画像診断支援に利用する際の数値変換を題材とした問題です。今年度の問題は記号や数値のみを答える問題で構成されており、以前出題されていた記述解答問題はありませんでした。その分問題数は前年度の6問から12問と2倍になったため、文章読解のスピードと精度が求められる問題だといえます。

〔問題1〕グレースケール画像をヒストグラムに変換する問題
グレースケール画像を度数分布表に変換する問題です。「斜めのピクセルの値がほぼ同じ値」であることを利用してヒントに各明るさの値に属するピクセルの個数を考えるとよいでしょう。

〔問題2〕デジタル画像を任意の関数で変換する問題
与えられたCT画像を任意の関数に当てはめて数値変換する問題です。変換後のピクセルの値の定め方をまとめて提示している、例年通りの出題方法です。問1で計算手順を誘導しているため、これを利用して問2、問3のヒストグラムを考えます。

〔問題3〕デジタル画像変換をグラフで考える問題
〔問題2〕で考えた数値による変換をグラフで考える問題です。操作自体は〔問題2〕と変わらないため、連続しない関数に冷静に対応すれば解きやすい問題でした。

2⃣竹を題材にした問題
竹の広がり方や成長のしかた、利用方法を題材にした数値計算やデータの読み取り問題でした。問題数は前年度の12問と比べ13問とほぼ同数ですが、うち2問は理由を説明する記述問題でした。ただ、例年出題されていた複雑な条件設定のある計算はありませんでした。

〔問題1〕竹の繁殖力を計算しデータを分析する問題
面積計算がありながらも、主に散布図や棒グラフなど様々なデータを読み取る問題です。そのデータがどのような内容を示すのかを正しく判断する必要がありました。

〔問題2〕竹の利用方法を題材にした問題
竹炭をテーマに竹を有効利用する方法を考える問題で、理由を記述する問題2問がここにまとまっています。長さと面積の関係を正しく理解できていれば比較的平易な問題だといえます。

適性検査Ⅱ

1⃣会話文・資料読み取り問題
前年度までの資料をすべて読み取っていき、さらに記述問題が大半を占める問題から、今年度は傾向ががらりと変わり、会話文での誘導、そして記号問題の増加がみられました。小問数は前年度が6問(枝問なし)から小問数3題(枝問7つあり)と全体の問題数は若干増えた様子。一方で、記述問題は全体を通して2題のみの出題(資料読み取りの自由記述と400字の論述問題)とその他は会話文から読み取る記号選択問題になり、さらに会話文で誘導もあったようで、比較的に取り組みやすい問題になったと考えられます。

【B方式】
適性検査Ⅰ

今年度も例年と同様に大問2問構成で、小問数は15問と前年度より1問少なくなりました。
大問1がレールの隙間や物体の形状を題材にした理科系の問題、大問2がキャッシュレス決済とバーコードを題材にした算数系の問題でした。グラフや表などの資料が減った一方で、短い会話文が挿入されています。金属や気体の性質などの理科の知識を使って解く問題が多くなりましたが、単純な知識を問うだけでなく、環境問題と結びつけて考える記述をさせるなどSDGsを意識した問題の出題も見られました。前年度に比べ、記号問題が少し減って数値を答える問題が増えた傾向にあります。速く正確な計算力も求められました。

適性検査Ⅱ

今年度も前年度と同様に資料読み取りの問題が出題されました。前年度との変化については小問数が5題から6題に増加した一方、枝問がなくなったため全体で答える問題数に変化はありませんでした。
内容面での変化は、資料読み取りの中でもイラストなどを見て答える問題数が多くなった印象です。このような問題は前年度から取り入れられてはいましたが、今年度のようにはっきりとイラストから読み取るような指示があるのは今年度が初めてでした。データ読み取りだけではなく、問題全体でどのようなことを言わせたいか、イラストの真に伝えたいことは何かを察知することが必要であると考えられます。

集団面接(集団討論)

今回のテーマは「『男性は働き、女性は家庭を守るべきだ』という発言に対してあなたはどう思いますか。また、男女平等な社会の実現のためにどんなことが必要だと思いますか。」でした。
前年度の「『自分だけ他の人と意見が違う』と思った時どうすればよいか」という問いに対して、今年度のテーマは世界的に注目されているジェンダー問題への国際的な感覚、特にグローバリズム的観点からの意見が求められる問でした。ただ、「男女平等な社会の実現のためにどんなことが必要だと思いますか。」という一文から話の着地点は設定されているので、グループでの回答は均一化するような問題ではあると考えられます。

【A方式】

<外国語作文>
今年度はニューヨークタイムズの記事を読み、「メンタルヘルスデー」を過ごすことに関しての意見を記述する問題でした。例年同様、自分の知識や経験に基づいた理由を2つ述べることを求められていました。
<基礎日本語作文>
今年度は日本の中学校に関して思い浮かべることとその理由に関して述べる問題でした。例年同様、字数指定はありません。日本の中学校に関して思い浮かべることであれば、大変広い答えを挙げることができますが、ばくぜんとしたイメージだけだと、理由を述べることが難しくなります。作文全体の方向性を定めてから書くべきテーマだったと言えるでしょう。

【B方式】
適性検査Ⅰ

今年度の入試も例年と同様に大問2問、小問16問と問題数の変更はありませんでした。
大問1がプラスチックを題材にした理科系の問題、大問2が投票方法を題材にした算数系の問題でした。海洋汚染や平等問題など、SDGsを意識した問題と見ることもできます。記述式の問題が昨年より少なくなり、代わりに記号で答える問題が多くなっていました。流れる水のはたらきや、もののとけかたなど、一部知識を求められる問題もありますが、図や表、グラフの数が例年より増えており、それらの読み取り問題の出来がカギを握ったともいえるでしょう。問題のページ数も過去5年間で最多の12ページとなっていました。

適性検査Ⅱ

昨年度は大問1題、小問6題の構成でしたが、今年度は大問1題、小問7題の構成でした。
今年度は課題解決への取り組みと社会参画に関する問題で、ボランティア、衣服、人口減少など1つのテーマに絞られない形式での出題となっていました。こちらも、資源問題など随所にSDGsへの意識が見られる題材でした。昨年度は手紙やSNSなどのコミュニケーションツールを題材にした問題で、小問のテーマは比較的読み取りやすいものでしたので、題材としては難化したといえるかもしれません。

集団面接(集団討論)

集団討論のテーマは「話し合いで、自分の意見と、周囲の意見が違う時、あなたはどうしますか。」
でした。1グループは6人。討論時間は10分。最初に考える時間は与えられず、最後に意見がまとまらなくても、時間が来たら討論は終了させられました。集団討論は、相手の意見を論破するものではありません。まさに今年のテーマはこの集団討論そのものの核心を突くような問題でした。自分の意見が周囲の意見と違っても、周囲の人の意見の良い所を取り入れて自分の意見を修正する柔軟性が必要でしょう。声を大きく、上を向いて発言することも大切です。