適性検査分析

お茶の水女子大学附属中学校

基本情報

住 所

〒112-8610 文京区大塚2-1-1

電話番号

03-5978-5862

アクセスマップ

過去の入試データ

募集人員

年度 2020 2021 2022 2023 2024
20 25 25 25
30 30 35 35
50 55 60 60

応募者数

年度 2020 2021 2022 2023 2024
60 32 49 57
199 174 196 270
259 206 245 327

受検者数

年度 2020 2021 2022 2023 2024
54 23 34 45
142 146 138 195
196 146 172 240

合格者数

年度 2020 2021 2022 2023 2024
26 18 28 30
31 32 40 41
57 50 68 71

実質倍率

年度 2020 2021 2022 2023 2024
2.08 1.28 1.21 1.50
4.58 3.84 3.45 4.76
3.44 2.92 2.53 3.38

※空欄の数値は随時アップ予定

適性検査分析

検査Ⅰ

1 会話文と実験結果、資料をもとに理科の知識や考察力を問う問題
問題数は16問で、一昨年度から1問増、昨年度から2問増でした。その分、昨年度よりも会話文の量・資料の量いずれもが減っており、理科知識が充分身についているかどうかが求められる問題でした。脊椎動物の体の特徴、昆虫の体の性質、流れる水の働きおよび星の日周運動について基本的な知識がきちんと身についていたかどうかがカギとなりました。

2 奈良県・大阪県・京都府を題材とした問題
奈良県・大阪県・京都府をテーマに、各分野からの問題が出題されました。問題数は15問と昨年度よりも1問増えました。昨年度は地理分野が2問、歴史分野が7問、公民分野が5問でしたが、今年度は資料の読み取り問題が7問、地理分野が2問、歴史分野が5問、公民分野が1問と、資料読み取り問題の比重が大きくなりました。また、歴史の配分も大きく、歴史の学習にどれだけ時間をかけていたかどうかが問われました。また、本来であれば大問3に出題されるような思考力系の問題も見られました。

3 身の回りの危険についてを題材とした問題
身の回りの危険についてをテーマに資料読み取りをさせる問題でした。小問数は5問と昨年度よりも1問減りました。また、昨年度は15~40字程度の記述が複数問出題されましたが、今年度は最後に60~110字の記述問題が設定されました。条件は明確に示されているので、落ち着いてそれらを確認し、問に正対できたかどうかがカギとなりました。

検査Ⅱ

【出典】
山極寿一『ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」』

〔大問1〕
動物の食事と人間の食事を比較し、現代社会の個食について述べた説明文を読み、10問の設問に答える形式でした。昨年度と比べ、大問1の問題数は1つ増えましたが、文章量は大幅に減少しました。いかに素早く解答となる部分を探せたかどうかが勝負でした。

〔大問2〕
「フェイクニュースと情報に対する意識調査」を読んで設問に答える形式でした。資料から読み取れることとしてふさわしいものを選ぶ小問が2つと、70~100字の意見文を書く小問の計3題が出題されました。読み取り問題では、割合等は正しいものの、資料から読み取れない記述が含まれる選択肢があり、すべての選択肢をしっかりと確認しなければいけませんでした。意見文については、資料を参考にしながら自分の考えを記述する必要がありました。

検査Ⅲ

1 基礎計算力をみる問題
昨年度同様に、基本的な四則計算、小数・分数計算から小問4題が出題されました。難易度は前年度同様です。いかに正確かつ速く解くことができるかが、その後の問題にゆとりを持つためのカギとなります。そのためには日頃から結合法則や分配法則といった計算時の工夫を常に取り入れておくとことが重要です。

2 算数の応用力をみる問題
今年は小問4題の出題で、昨年度よりも問題数が1つ減りました。難易度は昨年と変わりませんが、今年は帯グラフを作成させる問題が新たに出題されておりました。分数の性質や資料の読み取り、そして円柱の体積に関して考える問題となっておりました。円柱の計算の際には、円周率を3として計算する指示が出ており、条件の読み落としをしないで計算を進められたかどうかがカギになります。

【3 統計処理能力をみる問題
与えられたアンケート結果に基づいてクロス集計表を作成し、その表をもとに割合を考察する問題でした。昨年度は規則性の問題、一昨年度は速さに関する問題であり新傾向の出題であると言えますが、決して難しくはない問題です。内閣府が掲げている「データサイエンス人材の育成」という現代社会の潮流に鑑みると今後も統計処理能力を問う問題は出題されると考えられるため、対策は必要となるでしょう。

4 平面図形の考察力をみる問題
コンパスを正面から見た時に観察できる二等辺三角形の性質について考えさせる問題でした。大問4では例年作図問題が出題されておりましたが、今年はコンパス不要で解くことができる選択形式問題でした。その意味では新傾向と言えますが、難易度は標準的で、与えられた図をもとにしてそれぞれの選択肢が妥当かどうかを考えれば正解にたどり着くことができます。平面図形の性質についてその場で考え、きちんと理解する力を高めることが対策につながるでしょう。

検査Ⅰ

検査Ⅰでは前年度と同様の形式であり、理科、社会、総合的な思考力を問う大問3題の構成でした。全体を通して、会話文、問題文、資料いずれも分量がやや増加し、例年以上に時間が非常にタイトであったことと思います。

【大問1】会話文と実験結果、資料をもとに理科の知識や考察力を問う問題
問題数自体は14問と昨年より1問少なかったものの、ページ数は1ページ多くなっていました。前年度は文章と実験結果が中心の問題でしたが、今年度は会話文が中心の形式となったことに加え、それぞれの問いの選択肢自体の文章量も多く、理科の知識や考察力だけでなく読解力が求められる問題でした。
燃焼・振り子・地層・光の屈折とレンズといった基本的な知識を応用した問題も出題されており、いかに基礎知識を正しく運用できたかがカギとなりました。

【大問2】会話に出てくる題材に関する問題・「色」を題材とした問題
大問2は横断歩道を渡る二人の会話に出てくる題材に関する小問に答えていくものと、「色」を題材とした問題で、前年度は文章が2つ出てくる形式だったものが、今年度は会話が1つと短答問題が並ぶ形式での出題になりました。前年度の小問数は12題でしたが、今年度は14題と2題増加しています。記述式の問題は3題で、大半の問題が記号で回答する問題である形式は変わりませんでした。分野ごとの出題についてみると、前年度は地理の問題が5題、歴史の問題が3題、公民の問題が3題で、各分野の問題の中に資料分析が組み込まれる形式となっていましたが、今年度は地理の問題が2題、歴史の問題が7題、公民の問題が5題となり、資料分析の問題が各分野の問題の中に組み込まれる形式となりました。

【大問3】交差点と街づくりに関する問題
大問3は交差点と街づくりに関する問題でした。前年度の小問数は5題でしたが、今年度は6題となり1題増加しています。前年度の問題では小問ごとに40字から80字程度の字数指定問題が出題されましたが、今年度は小問ごとに15字から40字以内の字数指定問題が出題されました。小問1問あたりの記述の問題が減少しましたが、自らの考えを表現する大問であることには変わりありません。

検査Ⅱ

【出典】
今西乃子『命の境界線 保護されるシカと駆除される鹿』

〔大問1〕
鹿をテーマとした説明文を読み、設問に答える問題でした。読解問題は、前々年度は大問1、前年度は大問2にあったので、前々年度のタイプに戻ったといえます。小問数は前年度大問2が7題だったのに対し、今年度は9題となりました。文章が見開き1ページあり、大問2と合わせて30分という短い時間での勝負であるため、素早く文章を読み取る力が求められました。

〔大問2〕
「国語に関する世論調査」を読み、設問に答える問題でした。資料を読み取る問題は、前々年度は大問2、前年度は大問1にあったので、前々年度のタイプに戻ったといえます。小問数は前年度が4題だったのに対し、今年度は3題となりました。また、作文問題は与えられた条件を守りながら考えを表現する力が求められました。

検査Ⅲ

前年度同様、検査Ⅲは算数からの出題でした。形式も大問4つの構成で昨年から大きな変更はないものの、例年と比べると大問1~3まで取り組みやすい問題が多く、それだけに正確さが求められる問題でした。

【大問1】基礎計算力をみる問題
前年度同様に、基本的な四則計算、小数・分数計算から小問4題が出題されました。いかに正確かつ速く解くことができるかが、その後の問題にゆとりをもつためのカギとなります。そのためには、日ごろから結合法則や分配法則といった計算時の工夫を常に取り入れておくことが重要です。

【大問2】算数の知識と応用力をみる問題
こちらも前年度同様に、算数の小問5題の出題でしたが、前年度よりもやや易化していました。基本的な速さ、平面図形の問題が1問ずつに加え、資料・グラフの問題3問でしたが例年と比べ、解きやすい問題となっておりました。

【大問3】条件をもとに規則的にます目を埋めていく問題
前年度・前々年度と異なり、規則性の問題が出題されました。小問は3題の構成で、条件自体はシンプルであり、正しく条件通りに作業をすることができれば、決して難しくはない問題です。また、今年は大問3の〔問3〕にて記述問題が出題されており、記述の対策は今後も必要となるでしょう。

【大問4】雷と防災をテーマにコンパスを用いて作図する問題
条件をもとにコンパスを用いて作図を行う問題が出題されました。前年度もコンパスを用いる作図問題が出題されましたが、今年度ではより適性検査形式での出題となりました。コンパスを扱うという算数的な技能のみでなく、しっかりと条件を満たすようにする必要があり、思考力も求められる問題でした。

適性検査Ⅰ

【大問1】<旅での自然観察から考えられることを考察する問題>
家族の高原への旅行で生じたこと、観察したことから理科的な分析をし、その説明を正確に読み取る力と小学校で学習した理科の知識を問う構成になっています。
〔問1〕<旅行の記録を正確に読み取る力と知識力をみる問題>
(1)は「旅の記録」の文章の読み取りになります。(2)(3)は理科と社会の基礎知識が問われています。
(4)は「旅の記録」の中の「山の斜面をけずって作られた林道」や、「岩には湿った土がついていた。」という記述から過去に何が起こったのかを想像させる問題でした。
〔問2〕<旅行の記録を正確に読み取る力と知識力をみる問題>
「旅の記録」から浮かび上がった地学、生物、化学の問題が問われています。(1)(2)(4)は「旅の記録」と《調べたこと》からの読み取りになります。(3)は完全変態の正確な知識が必要になります。
〔問3〕<実験の結果を予想する問題>
実験1はリトマス試験紙の正しい使い方、実験2はてこの原理、実験3はホタルやウミホタルの発光の仕組みが問われました。(1)~(4)までは知識に属する問題です。確実に得点したいところです。(5)は実験結果の予想ですが、資料の正確な分析力が求められます。

【大問2】
大問2は「水」についての文章と「世界遺産」についての文章中の内容に関する小問に答えていく問題で、2021年度は会話形式だったものが、2022年度は文章形式での出題になりました。小問数は11題で、2021年度よりも1題増加しています。記述式の問題は2題で、大半の問題が記号で回答する問題である形式は変わりませんでした。分野ごとの出題についてみると、2021年度は地理の問題が4題、歴史の問題が4題、資料分析の問題が2題となっていましたが、2022年度は地理の問題が5題、歴史の問題が3題、公民の問題が3題となり、資料分析の問題が各分野の問題の中に組み込まれる形式となりました。

【大問3】
大問3はピクトグラムを題材に工夫や課題解決を考察する問題でした。小問数は5題で、2021年度よりも2題増加しています。2021年度の問題では100字以上150字以内の記述問題がありましたが、2022年度は小問ごとに40字から80字程度の字数指定問題が出題されました。また、2022年度は自分で想定した課題に関して実際にピクトグラムをイラストで作成する問題も出題されました。記述の問題が減少しましたが、自らの考えを表現する大問であることには変わりありません。

適性検査Ⅱ

【大問1】<資料を正しく読み取る力をみる問題>
「巣ごもり消費」に関する資料を2つ読み、資料内容についての問いや、アイスクリームのキャッチコピーを考える問題が出題されました。日ごろから資料に関する問題に触れ、素早く読み解く力が必要でした。また、作文問題は与えられた条件を守りながら考えを表現する力が求められました。
〔問題1〕<資料を読解する力をみる問題>
資料2の中から「巣ごもり消費」の説明として正しいものを選ぶ問題です。資料2は5行の文章と長くないため、素早く問われている内容を見つける必要がありました。
〔問題2〕<グラフを読み取る力をみる問題>
「アンケート調査1」を読み取り、その内容として正しいものを選択する問題です。選択肢の内容と資料の内容が合わなかったり、資料からは分からない、考えられなかったりするものは不正解になるため、選択肢の一表現に気を付けて読む必要がありました。
〔問題3〕<資料を参考にし、与えられた問いに答える力を見る問題>
アンケートだけでは「巣ごもり消費でどんなお菓子や飲み物などを飲食したか」が分からない理由を答える問題です。選択肢をよく読むこと、また資料を隅から隅まで見なければ答えられない問題でした。日ごろから資料をよく読み、内容を吟味する力が必要でした。
〔問題4〕<条件に合う内容を記述する力を見る問題>
アイスクリームの売り上げを伸ばすためのキャッチコピーを考える問題です。一見自由な考えを求められている問題に思えますが、実際には先生の話から条件が厳しく設定されているため、解答の方向性が定まっている問題でした。また、どのような考えからそのキャッチコピーを書いたのか、理由を記述する問題も出題されました。普段から自身の考えを記述する力が必要でした。

【大問2】<説明的文章の読解力をみる問題>
「ボランティアをする上で大切なこと」というテーマの説明文を読み、設問に答える問題でした。文章が約2ページとあり、大問1と合わせて30分という短い時間での勝負であるため、素早く文章を読み取る力が求められました。
〔問題1〕<段落内容をまとめる力をみる問題>
空欄に当てはまる言葉を選択する問題です。空欄がそれぞれ段落の初めにあり、その後その内容の説明をしています。段落内容全体を読み取り、まとめる力が必要でした。
〔問題2〕<指示語の内容を考える力をみる問題>
問題文の空所にあてはまる内容を文章から見つける問題です。指示語の問題は周辺から内容を推測し、ある程度自身で指示語内容を推測する必要があります。日ごろから文章読解を行う際、指示語内容を調べる習慣が必要でした。
〔問題3〕<傍線内容を考える力をみる問題>
「報酬」という言葉について、2つの傍線の内容を答える問題です。複数の段落内容を正しく読み取り、2つの「報酬」の違いについて理解する必要がありました。また、片方の空欄は書き抜き、もう片方は自身で熟語を考える条件があったため、注意が必要でした。
〔問題4〕<傍線部についての筆者の考えを読み取る力をみる問題>
傍線から筆者の考えが2つあることが読み取れるので、それらを文章内容から探します。上記でも示した通り、選択肢問題は一部分でも文章と異なったり、文章からは読み取れなかったりすると不正解となります。普段から選択肢問題に触れ、よく復習をしている必要がありました。
〔問題5〕<指示語の内容を考える力をみる問題>
傍線の「そういった」の内容を答える問題です。指示語の後の表現からある程度指示語内容の予測ができるため、まずは後の内容を読み、自身で「このような指示語内容なのではないか」と予測すると素早く正解ができました。
〔問題6〕<筆者の考えを読み取る力をみる問題>
傍線内容についての筆者の考えのうち、正しいものをすべて選ぶ選択肢問題です。「そんな」の内容から前の内容を読み取り、そこから筆者がどのようなことを言いたいのかを考えられれば正解できる問題でした。日ごろから内容を自分なりに言葉にし、筆者が何を言いたいのかを考え続ける練習が必要でした。
〔問題7〕<漢字の力をみる問題>
問いとしてはそこまで難しくはありませんが、たとえば「じっせき」の「せき」を「績」ではなく「積」と答えてしまうものが予測されます。漢字の練習をする際に、なぜその漢字を使うのか、漢字それぞれの意味をしっかりと理解しておく必要がありました。

適性検査Ⅲ

昨年から検査ⅠとⅢの順番が入れ替わり、検査Ⅲが算数からの出題でしたが、出題内容自体は昨年の検査Ⅰと同様に、大問4つの構成でした。

【大問1】<基礎計算力をみる問題>
昨年同様に、基本的な四則計算、小数・分数計算から小問4題が出題されました。いかに正確かつ速く解くことができるかが、その後の問題にゆとりをもつためのカギとなります。そのためには、日ごろから結合法則や分配法則といった計算時の工夫を常に取り入れておくことが重要です。

【大問2】<算数の知識と応用力をみる問題>
こちらも昨年同様に、算数の小問5題の出題でしたが、昨年よりも少し難化していました。小学校で学ぶ範囲の算数の知識をしっかりと応用させる能力が問われており、それだけに様々な問題パターンに取り組んでおく必要がありました。また、今年はコンパスを用いた作図の問題も1題出題されていました。2021年度はなかったものの、頻出問題です。難易度は高くないので、事前に対策を講じておきましょう。

【大問3】<容積と水量の変化を題材にした問題>
小問は3題の構成で入試問題の算数ではおなじみの、水槽に水を入れていく中で、容積と水量の変化を題材にした問題です。時間の変化だけでなく、底面積の変化に応じて深さも変わっていくため、その都度状況の変化を整理しながら解き進めていく必要があります。問題文を正確に読み取ることが肝心です。また、2020年度にも出題されていたグラフを書く問題が今年度も出題されていたので、今後も出題が予想されます。

【大問4】<商品の売り上げを題材にした問題>
適性検査型となり、今年度も記述の問題を含めた小問3題が出題されました。短い時間の中で、会話文や資料から条件を丁寧に読み取ることがポイントです。また、平均値、最頻値、中央値といった算数の知識も問われており、算数の知識も幅広く学習をしておくことが必要でした。記述に関しては、条件通りに書くことはもちろんのこと、具体的な数量の比較が求められており、論理的な記述力と素早い計算力のどちらも要求される問題でした。