お問い合わせ先 ena教務部
0120-06-1711※受付時間 日曜・祝日除く 10:00~18:00
2025年度適性検査分析速報-桜修館中等教育学校-
投稿日: 2025.02.3 6:00 pm
2025年度 桜修館中等教育学校 適性検査分析速報
|
適性検査Ⅰ【出典】文章A 梶谷真司「問うとはどういうことか 人間的に生きるための思考のレッスン」より 文章B 辰野和男「ぼんやりの時間」より 【出題形式】 問題の形式は前年度までと同様、文章が二つあり、それぞれから読み取る問題2題と、400字以上500字以内で書く作文問題1題の構成でした。字数は文章A、Bともに昨年よりは長くなりました。 テーマは文章Aが「お互いの考えや気持ちをより深く理解するために問いかけることが大事」で、文章Bが「むだはむだではなく大事なものだ」というものでした。なお文章Bのテーマは令和3年の南多摩中でも出題されていて弊社の金本(都立都立中過去問集)を解いていた生徒には有利だったと言えます。
〔問題1〕文章の内容を指定された字数で説明する記述問題 50字以上60字以内 「それによって私たちははじめて、たんに知っているという表面的な次元の向こうへ深く入っていくことができる」という表現について、わかりやすく説明する問題です。昨年の「指定された形式に合うように記述する問題」からごく普通の記述問題に変わりました。例年と比べるとだいぶ答えやすいはずです。「それ」の指し示す内容と「表面的な次元の向こうへ深く入っていく」という表現が、どういう意味なのかををきちんと説明する必要がありました。
〔問題2〕文章の内容を指定された字数で説明する記述問題 60字以上70字以内 「ぼやーっとしている時間はそれこそ、むだそのものだ」と考えている人の生活について、筆者の考えをふまえて説明する問題です。筆者の考えをきちんと押さえて書くことが大切です。筆者の考えは、最後の段落に「そういうむだがあるからこそ、生活はむしろゆたかなものになっているのではないか」と述べられています。その直前の段落に「夜空をながめるなんてむだなことだと思う人の生活」が書いてあるので、ここをまとめるとよいでしょう。問題文にある「生活」も答えを探すうえでおおきなヒントになりました。このヒントに気づく読解力が試されています。
〔問題3〕それぞれの文章の内容をふまえて作文を書く問題 400字以上500字以内 二つの文章を読み、一見むだに見えるけれども本当は大切だと思うことについて、体験をふまえながら400字以上500字以内で書く問題です。第一段落には一見むだに見えるけれども本当は大切だと思うことについて、第二段落よりあとに体験と考えを書くという条件が示されています。文章Bより、「利潤とか、効率とか、管理とか、豪華さとか、スピードとかそういうもの」とは正反対のむだなものが大切だと読み取れます。利潤や効率やスピードを追い求めない、たとえば自動車に乗らずに歩いて町を行くと道ばたの花に気が付いて豊かな気持ちになれた、というような体験が書けていれば大きく外すことはないでしょう。文章Aは「だいたいのことが分かれば十分だ」が、より深く理解するには問いかけること、疑問をもつことが大切だ」という主旨ですが、この内容と文章Bの内容を絡めながら書くと、作文全体の一貫性を保つのが難しかったのではないでしょうか。安全策をとるなら、上記のように文章Bの内容をふまえてわかりやすく書くと良いのではないかと思われます。 今年度の問題は初めて男女別定員が無くなる年という意味でも注目されましたが、桜修館の適性Ⅰは非常に取り組みやすいものとなりました。高得点勝負になると思われます。
適性検査Ⅱ1 飼育委員会の活動を題材とし、与えられた条件をもとに調べ上げる問題 令和6年度同様、今年度も小問3題の構成です。ページ数が5から3に減少したこともあり、易化した令和6年度よりも、さらに易しくなった印象です。今回はすべての問題で「考えられるもののうちの一つ」を聞かれており、例年以上に調べ上げの要素が強かったといえます。 〔問題1〕は、15週間で三つの役割を同じ回数する人が誰なのかを考える問題でした。この問題は何週目にどの番号の人がどの役割を担当するのかを実際に書き出していくことが求められますが、途中で番号をずらさずに正確に調べられたかが鍵となります。正解してほしい問題ではありますが、実力によって正否を分けた問題と言えるでしょう。 〔問題2〕は、水かえに必要なペットボトルの本数と、水かえ後の水そう内の水の高さの増え幅を考える問題でした。言葉と式、計算結果を用いて説明する必要はありますが、資料1に書いてある条件を正確にとらえることに加えて、令和6年度の問題1と同様に、単位換算を正しく行う必要がありました。 〔問題3〕はカギの数の並びを答える問題でしたが、資料2のうち、どの条件が答えを絞るのに適したものであるかを考える必要があります。条件を絞ったあとは素因数分解の考え方を用いて正解にたどり着ける受検生も多かったのではないかと思います。確実に正解しておきたい一問でした。
2 製品のリユースやリサイクルについて考える問題 令和3年度から引き続き小問2題の構成ですが、問題1は(1)と(2)に分かれており、(1)では割合の計算が出題されました。共同作成問題の適性検査Ⅱ大問2で割合の計算が出題されたのは、平成30年度以来です。大問全体の話題はリユースやリサイクルといった循環型社会に関するもので、受検生にとっては見慣れたテーマといえるため、取り組みやすい内容だったと考えられます。
〔問題1〕(1)は割合の計算をしたうえで、計算結果が衣服の循環利用率と比較してどちらが高いかもあわせて答える問題です。計算自体は平易なので、確実に正解したい1問といえます。(2)は、製品ごとの循環利用における共通点と異なる点を説明する問題です。ひとつの問題で解答すべき内容が複数ある形式は、5年連続の出題となりました。例年と比べれば資料が少ないため、解答すべき情報も見つけやすく、こちらも平易でした。
〔問題2〕は、循環利用率を高める取り組みによって、消費者の意識や行動がどのように変化して循環利用率が高まるのかを説明する問題です。解答に用いる資料を受検生に選択させる形式は、6年連続の出題となりました。 会話文や資料は標準的な内容であり、2題とも正解すべき問です。解答に必要な要素を会話文や資料から適切に読み取ったうえで、問われていることに対しての答えをわかりやすく表現することが大切です。
3 シャボン玉の性質について考える問題 近年の傾向通りの問題ですが、例年よりも会話文が少なくなり、実験の手順の説明が詳細化されました。これまでであれば実験結果の着眼点を示唆するだけであったものが、それに加えて検証の仕方まで示唆されるものとなっており、大幅に解きやすくなったと言えます。しかし、思い込みなしに丁寧に問題文を読み取らないと、読み取り方が間違いやすい箇所があり、落ち着いて処理できたかどうかが正否を分けました。適性検査Ⅱの共同作成は、算数系の大問1の方が難度の高い年度と理科系の大問3の方が高い年度がありましたが、今年は全体的に難度は下がったものの、解答の記述量の面で、大問3の方が比較的難度が高かったと言えるでしょう。
〔問題1〕はシャボン玉をつくる液体に加える砂糖の分量によって、シャボン玉の割れやすさがどう変わるかの実験についてです。実験結果の着目すべき箇所を条件に従って見つけ、その箇所に着目する理由を述べる問題でした。着目すべき箇所自体は、単純な数値の読み取りのため平易ですが、表で示されているものは、問われている「体積」そのものではないため、解答の仕方に注意する必要があります。減点とならずに、点を取り切っておきたい一問です。
〔問題2〕はシャボン玉の時間経過による割れ方の実験についてです。まくをつくる液が、時間経過で下にたまることで、上部がうすくなり、割れることが実験で示されています。その結論自体の読み取りは誘導が丁寧なために難しくありませんから、条件通りに解答を書くことができたかどうかが点数を分けるでしょう。問題文を踏まえた解答の作り方の練習量が正否を分ける一問でした。 |
SUPPORT
良く見ておきます
継続勉学が大切ですね
ありがとうさま
コメントありがとうございます。
是非、ご覧ください。
継続勉学が大切とのこと、全くもって同感です。
田村
ありがとうございます。
今年、受験生なので、参考になりました